イムラでは2014年より、大工育成制度をスタートしました。
大工志望の学生を社員大工として採用。6年間、イムラの棟梁のもとで修業し、伝統技術を学んでもらう大工育成システムです。
この制度により、若い社員大工が技術を習得し、未来の棟梁として伝統を受け継いでいくことを目指しています。
今回は日々修行に励む、中途採用で入社した社員大工にインタビューを行いました。どのような想いで大工としての道を歩んでいるのか、その声をお届けします。
Q1 転職したきっかけは?
我が家は3代続く大工の家系で、祖父も父もその道を極めてきました。
なので私自身、幼い頃から親戚や周りの人たちから将来は3代目として大工を継ぐことを期待されてきました。
そして自分自身も祖父や父の姿を見て、大工が天職ではないかと思っていた部分もありました。
しかし、いざ進路を決めるタイミングになった時、高卒で父親の下につくことに不安が芽生えました。
「家族の期待に応えられるのだろうか」「祖父や父のように立派な大工になれるのだろうか」そんな疑問が大きくなり、進路に悩む日々が続きました。
結果として大工の道から大きく離れる決断でしたが、興味のある分野の1つだった航空業界へ進むことを決めました。
社会人として東京の羽田空港で勤務することとなり4年ほど経ったあたりで「仕事」というものの偉大さや奥深さに気づき、祖父と父親が見てきた世界を自分の目で見てみたいと強く思ったことをきっかけに大工の道へと転職しました。
Q2 1年目を終えた心境は?
想像していた以上に、厳しく過酷な1年でした。体力的にも精神的にも限界を試される毎日が続き、棟梁からの厳しい指導や、失敗の連続に何度も心が折れそうになりました。大工の道がこれほどまでに険しいとは思いもよらず、何度も挫折しかけたことを覚えています。
しかし、この1年間は同時に、私の人生で最も学ぶことに貪欲になれた時間でもありました。苦しさの中にも、見る物聞くことすべてが新鮮で、成長したいという思いが私を支えていました。
Q3 社員大工としての目標は?
自分自身の中に職人としてのこだわりや信念、核となるものを持ちたいと強く思っています。
大工の道を歩むうえで、技術や知識をただ学ぶだけではなく、心の中に確固たる基盤を築くことが重要だと感じています。
木の質感や色合い、加工の際の細部へのこだわりなど、仕事に対する厳格な姿勢を持ち、
お客様に感動を与えることができる職人になりたいです。