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完全二世帯住宅のメリット・デメリット|間取り例や費用を要チェック

二世帯住宅の中でも、『完全二世帯住宅』は世帯ごとの独立性が高く、プライバシーを重視した暮らしができるのが魅力です。

 

また、完全二世帯住宅の構成には〈縦割り〉と〈横割り〉という分け方があり、生活音の伝わりやすさや暮らしやすさなどに違いがあります。二世帯住宅を検討されている方はぜひ、参考にしてください。


完全二世帯住宅とは


 

 

完全二世帯住宅とは、完全分離型の二世帯住宅のことを呼びます。

 

完全分離型は、玄関やリビング、ダイニングやキッチン、浴室やトイレなどの水廻り設備、居室に至るまで、世帯ごとに生活空間を完全に分ける二世帯住宅です。

 

玄関や水廻り設備の一部を共有する一部共有型や、居室以外はすべて共有する完全同居型とは異なり、共有部分がないという違いがあります。


二世帯住宅の間取りの構成〈縦割り〉と〈横割り〉


 

完全二世帯住宅の間取りは世帯ごとの生活スペースの分け方によって、大きく2種類に分けることができます。

 

  • 縦割り
  • 横割り

 

〈縦割り〉は左右で世帯を分けるパターンで、二戸の住宅を横に連結させた形状から二戸一戸住宅とも呼ばれています。

 

〈横割り〉は、1階は親世帯、2階は子世帯といった形で、階ごとに世帯を分けるパターンです。横割りの場合、2階の世帯の玄関は内階段にして1階に設ける場合と、

外階段にして2階に設ける場合があります。


◯◯だから、完全二世帯住宅をおすすめします!


 

完全二世帯住宅にはいくつかメリットがあります。

 

  • 世帯を超えて干渉されることが少ない
  • 相続税で優遇される
  • ライフスタイルの違いが気にならない、気にしなくてよい
  • 売却や賃貸でも人気

 

完全二世帯住宅は、二世帯住宅でありながらも世帯を超えて干渉されにくく、ライフスタイルの違いを気にしなくてよいことがメリットです。また、相続税の算定では同居とみなされるため、税制上の優遇措置を受けることが可能です。さらに、将来的に売却や賃貸といった選択肢をとりやすいことも、完全二世帯住宅のメリットです。


■ お互いに干渉されない


完全二世帯住宅での同居は、生活空間が完全に分離されているためお互いのプライバシーを尊重できることがメリットです。また、水廻りの使い方や掃除の仕方の違いなどで気をつかう必要もありません。

 

また、玄関やLDKを共有していると友人を呼びにくいですが、完全二世帯住宅なら気兼ねなく自宅に招くことができます。それに加えて、親世帯と子世帯でインテリアの趣味が合わなくても、それぞれ好きなインテリアを楽しむことが可能です。

 

完全二世帯住宅は適度な距離感を保って暮らしたい人や友人を頻繁に招きたい人、そして、インテリアにこだわりがある人などに向いています。


■ 相続税で優遇される


完全二世帯住宅は近居している場合とは異なり、完全同居型や一部共有型と同様に、土地の相続税の算定で小規模宅地等の特例による減額を受けられる可能性があることもメリットに挙げられます。

 

小規模宅地等の特例は、マイホームが建つ土地を同居する親族が相続した場合などに330㎡の広さの分まで相続税が80%減額される制度です。完全二世帯住宅で親から子への相続では、親名義の土地の上に、親名義あるいは親と子の共有名義で住宅を建てている場合が対象となります。住宅の名義が子になっている場合や、区分所有権を設定して親世帯の居住部分を親名義、子世帯の居住部分を子名義にしている場合は、子は同居していると認められない点に注意が必要です。

※税制優遇については国税庁のHPなどで最新の情報をご確認ください。


■ ライフスタイルの違いが気にならない


親世帯と子世帯が同居すると、ライフスタイルの違いがストレスになることも考えられます。完全二世帯住宅なら、親世帯と子世帯がそれぞれの生活サイクルで無理なく暮らせることもメリットです。

 

たとえば、リタイアした親世帯は夕食を早くとって早めに就寝したいのに対して、子世帯は夕食の時間が遅く、深夜にテレビを見ていたり、入浴したりしていると、親世帯が寝るときに騒がしいのが気になることが考えられます。

 

 

 

反対に、休日の朝に子世帯はゆっくり寝て過ごしたいのに、親世帯は早起きで朝から洗濯や掃除をしていると、物音で起きてしまうかもしれません。

 

親世帯と子世帯のライフスタイルが異なる場合も、完全二世帯住宅が向いています。


■ 売却や賃貸で人気


二世帯住宅は売却や賃貸運用という選択肢をとりやすいこともメリットです。二世帯住宅を建てても、子世帯が転勤などによって将来的に転居しなければならない、親世帯が介護施設へ入居する、あるいは亡くなってしまうなど、同居を解消せざるを得ないことも考えられます。

 

完全二世帯住宅は一方の世帯が住まなくなったときに、賃貸物件として貸し出すことが可能となります。また、売却をする場合は、完全二世帯住宅は二世帯住宅として購入する客層だけではなく、片方の世帯のスペースを賃貸に出して活用することを前提に購入する客層も見込め、さまざまな目的に住宅を使いたい方にとって完全同居型や一部共有型よりも好まれます。


よいことばかりではない、知っておきたい二世帯住宅


完全二世帯住宅には多くのメリットがある一方で、次に挙げるようなデメリットも生じます。

 

  • 同居より生活にお金がかかる
  • 家や土地自体の費用が高い
  • 同居ならではの良さが薄まりやすい

 

完全二世帯住宅は個々の世帯で暮らすのと同じになるため、同居よりも生活にお金がかかります。また、住まいの独立性の高さから同居ならではの良さが薄まりやすいこともデメリットです。また、完全二世帯住宅の建築には、完全同居型や一部同居型よりも広い土地を必要とし、建築コストもかかります。


■ 同居より生活にお金がかかる


完全二世帯住宅は完全同居型や一部共有型よりも、生活費がかかることがデメリットです。完全二世帯住宅での暮らしは世帯ごとに独立して生活する形となるため、単純に一世帯分の生活費が2倍になるという状態です。

 

同居で特に生活費の削減効果があるのは水道・光熱費です。完全同居型や一部共有型では、キッチンや浴室などの水回り設備を共有し、一つの浴槽にお湯をためることや料理をまとめて作ることで、水道・光熱費を削減できます。一般的に完全同居型の場合は完全二世帯住宅と比較して、水道・光熱費を年間で10万円程度削減できるとされています。

 

また、完全同居型では大袋の食材を購入することなどが、食費の削減につながっています。完全二世帯住宅でも大袋入りの食材をシェアして食材の無駄をなくしたりするなど、食費を節約することができます。


■ 家や土地自体の費用も高い


完全二世帯住宅は、親世帯と子世帯のそれぞれの世帯用の玄関やリビングダイニング、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備が必要です。建てるのに必要な土地の面積が広くなり、建築費用もアップします。建築費用は完全同居型と比較して、約1.5倍~1.8倍程度かかるのが一般的です。完全同居型の本体建築費用は3,000万円程度が相場なのに対して、完全二世帯住宅は5,000万円程度が相場になります。

 

コストが高くなりがちな完全二世帯住宅の建築費用を抑えるには、コの字型やL字型といった複雑な形状は避けて、シンプルな箱型の住宅にするのがポイントです。また、複雑に区切られた間取りよりも、シンプルな間取りの方が低コストとなります。


■ 同居の良さが薄まりやすい


完全二世帯住宅は世帯ごとの独立性の高さから、親世帯と子世帯の関係が希薄になりやすく、同居の良さが薄まりやすいこともデメリットです。完全二世帯住宅では、たとえば、食事の準備をしている間に子供を見てもらうなど、日常的に子育てを常にサポートしてもらうのは難しく、反対に親が体調を崩していても気づかないことも考えられます。また、防犯の面でも、一方の世帯が留守のときに不法侵入されても、もう一方の世帯は気が付かないかもしれません。

 

完全二世帯住宅での暮らしでは、コミュニケーションが希薄にならないように、定期的に一緒に食事をとる機会を設けるといった工夫をしましょう。


二世帯住宅へのリフォームはどれくらいかかる?



既存の住宅を完全二世帯住宅にリフォームする費用は、1,000万円~3,000万円程度が相場です。

 

完全二世帯住宅へのリフォームでは、玄関とキッチン、浴室、トイレ、洗面台、洗濯機置き場といった水廻り設備の増設工事が最低限必要です。

 

玄関の設置費用は25万円~40万円程度、水廻りの増設費用は400万円程度~が目安になります。

 

階段の新設費用は、内階段は50万円~100万円程度、外階段は鉄骨階段で110万円程度が相場です。間取りの変更は、1室を2室にする場合の費用は15万円~30万円程度、2室をつなげて1室にする場合の費用は25万円~50万円が相場です。

 

このほかに内装の補修工事や電気工事などが発生します。また、既存の水回り設備の交換や住まい全体の内装材の張り替えを行う場合ははさらにリフォーム費用がかさみます。

 

〈横割り〉は既存の間取りを活かしやすく、

〈縦割り〉は大幅な間取り変更や階段の増設を伴うため、

〈縦割り〉の方がリフォーム費用は高くなります。

〈横割り〉は、1階に玄関を新設する以外は間取りをほぼ変えず、

2階に水廻り設備を増設してリビングダイニングなどを設けるなど、間取り変更を行う場合で、1,000万円~1,500万円程度が目安となります。

その一方で、〈縦割り〉にするには階段の新設が必要であり、間取りを大幅に変更し、世帯間を仕切る壁を防音仕様にするなど大がかりな工事を行うと、3,000万円程度かかることがあります。


完全分離の二世帯住宅で失敗しないためのポイント


完全二世帯住宅での同居で失敗しないポイントとして、次の3つが挙げられます。

 

  • 生活のイメージを話し合っておく
  • 予算や返済プランを確認する
  • 将来的なビジョンを考慮する

 

完全二世帯住宅を建てて同居を始める前に、両世帯で生活のイメージを話し合っておくとともに、将来を見据えた上で予算や資金計画を立てておくことが大切です。


■ 生活のイメージを話し合っておく


完全二世帯住宅の建築やリフォームに踏み切る前に、親世帯と子世帯でどの程度の距離感の生活が理想なのか話し合っておきます。

 

たとえば、プライバシーを重視しつつ、ほどよくコミュニケーションをとりたい場合には、一部共有型の方が向いている場合もあります。また、お互いの世帯のライフスタイルを確認し、特に〈横割り〉の場合は1階の世帯が2階の物音や足音が気にならないように、間取りを配慮することが大切です。適度にコミュニケーションをとれる機会があるのが理想であれば、共有のテラスを設けるなど、自然と顔を合わせることのできる間取りにしましょう。


■ 予算や返済プランを確認する


完全分離の二世帯住宅にするには、完全共有型や一部共有型よりも建築費用やリフォーム費用が高くなりやすいです。住宅ローンを利用する場合返済は長期にわたり、子どもの誕生や進学、定年退職などライフステージも変化していきます。子世帯は、ローンを将来にわたって無理なく支払うことができるか、また、親世帯の老後の資金に問題はないかなど、将来を見据えた上で資金計画を立てることが大切です。ローンのシミュレーションを行って返済プランを確認した上で、予算を立てましょう。


■ 将来的なビジョンを考慮する


将来的には、子世帯では子どもが独立することが考えられ、親世帯では介護が必要になる可能性があります。子世帯では部屋を持て余し、親世帯に家の外からしか行き来できないのは不便だと感じるかもしれません。

 

片方を賃貸に出す可能性を想定しておく、家の中からも行き来できるように鍵つきのドアを設置しておくなど、長い目で家づくりを考えるようにしましょう。


まとめ


完全二世帯住宅は、プライバシーを重視できることやライフスタイルの違いが気になりにくいといったメリットがあります。ただし、プランによって住みやすさは異なるため、家族のカタチに合った二世帯住宅をつくるには、実績のある工務店に依頼すると安心です。奈良で二世帯住宅を建てるなら、注文住宅の豊富な実績を持つイムラにご相談ください。

✳︎二世帯住宅の施工事例は《 こちら 》