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新築は木造と鉄骨造のどっちがいい?構造・メリットの違い

マイホームの購入を検討する際に、しっかりと理解しておきたいポイントの一つとして「木造住宅と鉄骨造住宅の違い」が挙げられるでしょう。

日本では、一般的に木造住宅を選ぶ方が多いですが、木造住宅・鉄骨造住宅ともにそれぞれメリット・デメリットがあります。

出典:総務省統計局「2-1 住宅の種類,建て方及び構造」

 

そのため、どちらの住宅構造を選べばよいかは、これから長く住む家でどのような暮らしをしたいのかによって異なるでしょう。そこで今回は、木造住宅と鉄骨造住宅の構造の概要や工法の違い、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく紹介します。


木造住宅とは?木造の種類



木造住宅とは、住宅の土台や柱、壁などの主要部分に、木材を使って建てられている住宅を指します。

 

木造住宅で採用される主な工法は、「木造軸組工法」と「木造壁式工法」の2種類です。(他にも丸太組工法、木造ラーメン工法…などの工法もあります)

 

木造軸組工法は、日本でもっとも代表的な工法で柱と梁(はり)で骨組みを造り、筋かい(斜めの補強材)や合板で組み上げる工法です。柱や梁の間に空間が生まれるため、窓などの開口部を確保でき、比較的自由に間取りを決められるという特徴を持っています。

 

木造壁式工法は、「ツーバイフォー工法」とも呼ばれる工法です。柱や梁を基礎にするのではなく、2インチ×4インチのパネル状の木材を組み立てて建築します。欧米から1970年代に伝わった新しい工法で、国内でのシェアも少しずつ増えていますが、間取りの自由度が低くリフォームが難しいなどのデメリットがあります。


木造住宅にするメリット



一口に「木材」と言っても、その見た目は同じではなく、異なった木目や色味をそれぞれ持っています。木造住宅の主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。

 

(1)調湿性能や断熱性能に優れている
天然の木材は、調湿性能や断熱性能を持っています。夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるため、1年を通して快適な室内環境を保つことが可能です。また調湿性能により、鉄骨造住宅よりも室内の結露がやや発生しにくくなるので、カビやダニによる被害も防ぎやすいです。

 

(2)吸音性や衝撃吸収性がある
木材は鉄骨やコンクリートよりも弾性があることから、音が反響しにくいという特徴があります。生活音も響きにくくなるため、小さな子どものいる家庭でも安心でしょう。また木材は、弾性があることから衝撃も吸収しやすく、足への負担が少ない、疲れにくい暮らしを実現できます。

 

(3)リラックス効果がある
木材にはたくさんの種類がありますが、それぞれ異なる香りを持っています。例えばブランド木材である吉野杉は、香りのよさが有名です。木の香り成分である「フィトンチッド」という物質には消臭効果や抗菌性があると言われています。木に囲まれた暮らしができる木造住宅では、鉄骨造住宅と比べよりリラックスした暮らしを送れる可能性が高いといえます。


木造住宅にするデメリット


木造住宅の主なデメリットについては、以下の通りです。

 

(1)定期的なシロアリ対策を要する
木造住宅では、床下の定期的な確認や防虫処理などのシロアリ対策が必要です。シロアリとは、湿った木材に発生する害虫で、万が一発生した場合は木材を食してしまいます。家屋の部材が痛んだり、壊れてしまったりしないよう、シロアリ対策もしっかりと行うとよいでしょう。

 

(2)耐用年数が比較的短い
法律で定められている耐用年数は、鉄骨造よりも木造住宅のほうが短くなっています。ただし法定耐用年数は、あくまでも減価償却のために使われる数字であるため、建物の実際の耐久性を示しているわけではないので、ご安心ください。確定申告を自分で行っている場合は、念頭に置いておくとよいでしょう。


鉄骨造住宅とは?鉄骨の種類


鉄骨造住宅とは、柱や梁(はり)といった建物の構造体に、鉄骨を使用している住宅を指します。鉄骨は、厚さによって重量鉄骨と軽量鉄骨に種類分けされていて、それぞれ「重量鉄骨造」や「軽量鉄骨造」と呼ばれることもあります。鉄骨造住宅に用いられる主な工法は、「鉄骨軸組工法(ブレース工法)」や「鉄骨ラーメン工法」、「ユニット工法」です。

 

ブレース工法は、軽量鉄骨で骨組みを造り、対角線をつなぐブレースで補強し、ボルトで連結して組み立てる工法です。個人で建てる鉄骨造の戸建て住宅の多くは、ブレース工法で造られています。

ラーメン工法は、重量鉄骨で柱と梁を構成し、その接合部を溶接して連結する工法です。強度が高いため、マンションやビルなどの大型建築物で多く導入されています。

2つとも間取りの自由度は高いですが、かなり費用がかかってしまうというデメリットがあります。

一方、ユニット工法は工場で生産されたユニット(住宅の一部)を現場で組み立てる工法で、プレハブ住宅の一種です。比較的安価で工期が短いというメリットもありますが、間取りに制限があったりリフォームしにくいというデメリットもあります。


鉄骨造住宅にするメリット



工法により差はありますが鉄骨造住宅にする主なメリットは、以下の通りです。

 

(1)間取りの選択肢が多い
鉄骨は強度が高く、材料の寸法を自由に設定できるという特徴があります。柱や壁の量を少なくすることもできるため、広いリビングや大きな窓、吹き抜けなどの開放的な間取りも実現しやすいでしょう。間取りの選択肢が多ければ、日当たりが悪い土地でも日光を採り入れやすい設計ができ、土地の選択肢も広がります。

 

(2)火災保険料が比較的安い
現代の技術では、鉄骨造と木造の耐火性能に大きな差はないとされていますが、保険料の計算にあたっては、建物の構造材が考慮されるため、料金には若干の差が生じます。そのため、鉄骨造住宅の火災保険料は、木造住宅よりも安いことが一般的です。

 

(3)シロアリなどの害虫に強い
湿った木材に発生しやすいシロアリは、基本の構造が金属である鉄骨造住宅にはあまり発生しません。ただし、木材をまったく使わずに住宅を建てるのは難しいため、鉄骨造住宅の中で木材が用いられている部分に害虫が発生する可能性もあります。そのため、鉄骨造住宅においても、定期的なシロアリ検査は必要です。


鉄骨造住宅にするデメリット


鉄骨造住宅にする主なデメリットは、以下の3つです。

 

(1)土地によっては地盤補強を要する
鉄骨材は木材に比べて重量があります。一定の基準よりも地盤の弱い土地の場合、鉄骨造住宅を建てるには地盤補強や地盤改良が必要です。地盤補強工事や地盤改良工事の費用は建築費とは別にかかるものであるため、その分コストが大きくなるでしょう。

 

(2)断熱対策が欠かせない
鉄骨造住宅では、壁自体を少なくしたり薄い壁を採用したりすることができます。一方で、その分住宅の気密性能や断熱性能は低下し、冷暖房が効きにくくなる傾向にあります。年間を通して快適な室温を保つためには、高性能な断熱材を使用するなどの断熱対策が欠かせません。

 

(3)建築コストが高い
鉄骨は建築現場での加工が簡単ではなく、1つの住宅ごと工場で加工するため、建築コストが高くなる傾向があります。材料費の高さや工期の長さ、将来的なリフォームや増改築工事の費用も念頭に入れて、資金計画を立てることが必要です。


木造住宅と鉄骨造住宅のどちらを選ぶべき?


木造住宅と鉄骨造住宅、どちらを選ぶべきかは一概には言えません。それぞれのメリットとデメリットをよく理解し、家族でどのような暮らしをしたいのか具体的にイメージした上で、住宅の構造を決めましょう。

 

「木のぬくもりを感じたい」「少しでも健康的に暮らしたい」という場合は、木造住宅を選ぶのがおすすめです。日本の気候や風土に適した木造住宅は、古くから現在にいたるまで、多くの家庭に選ばれているため安心です。


まとめ


木造住宅と鉄骨造住宅には、それぞれ異なる特徴があります。木造住宅は調湿や断熱、吸音、衝撃吸収に優れ、リラックス効果も期待できます。一方で鉄骨造住宅は、間取りの自由度の高さや強度、害虫への強さなどが特徴です。

 

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