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ZEH住宅とは?メリットや関連する補助金について解説

家を建てる際は、デザインや間取り、コストを重視する人は多いでしょう。近年では、環境に配慮した家づくりをする人も増えています。

家づくりにあたりデザインなどに注目することも大事ですが、家は長期にわたって生活する場所です。長期的に快適な暮らしができる住まいを念頭に、家づくりを進めましょう。

 

当記事では、ZEH住宅の概要と求められる要素、メリットを紹介します。また、ZEH住宅に関する補助金制度についてもまとめているので、環境に配慮した家づくりを検討している人はぜひご一読ください。


ZEH住宅とは



ZEH(ゼッチ)とは、「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略語です。ZEHは、「エネルギーの収支をゼロ以下にする家」という意味で使われます。

 

ZEH住宅とは、太陽光発電システムによるエネルギー創出などによって、1年間の生活で消費するエネルギーよりも、創るエネルギーのほうが上回る住宅です。

 

ZEH住宅の実現には、エネルギーの消費量を大きく減らす必要があります。効率的な設備の導入や断熱性能の高い資材などの使用によって、快適な室内環境の実現と省エネルギーの両立を目指すのが、ZEH住宅です。


ZEH住宅は新しい住宅のトレンドになっている


ZEH住宅は、国の政策として推進されています。推進の背景は、住宅における消費エネルギー量の大きさです。

 

地球温暖化対策の1つとして、CO2排出量の削減は重要視されています。CO2排出量というと企業や工場に目が向けられますが、国内の全エネルギー消費量の13.8%を占めているのは住宅です。

出典:経済産業省資源エネルギー庁「第2節 部門別エネルギー消費の動向」

 

住宅における省エネルギーの推進は、国内のエネルギー消費の削減に効果的です。そこで、国は「2020年までに標準的な新築住宅の半数以上で、2030年までに新築住宅の平均でZEH実現を目指す」との目標を掲げました。

出典:環境省「平成31年度のZEH関連事業(補助金)について」

 

目標の達成のために、国は補助金を出してZEH住宅の普及を推進しています。ZEH住宅は、住宅の新たなトレンドになっていると言えるでしょう。また、ZEHの発展形として、住宅のライフサイクル全体を通してCO2収支をマイナスにするLCCM住宅についても、国は推し進めています。


ZEH住宅に求められる3つの要素



ZEH住宅に求められるのは、以下の3つの要素です。

 

省エネ

省エネルギーの実現には、「HEMS(ヘムス、Home Energy Management System)」と呼ばれるシステムを使った、エネルギー消費量の把握が必要です。また、無駄なエネルギー消費を省くために、効率のよい給湯システムや冷暖房、LED照明などの活用も欠かせません。

 

断熱

断熱性能はZEH住宅の大切な要素です。高い断熱性をもった住宅の室温は、外気の影響を受けにくいため、エアコンなどの冷暖房に使うエネルギーを減らせます。窓や壁などに高断熱仕様の資材を使うことによって、住宅の断熱性の向上が可能です。

 

創エネ

創エネとは、エネルギーを生み出すことです。ZEH住宅では、生活におけるエネルギー消費量よりも、エネルギー創出量が多くなるよう求められています。創エネには、太陽光発電などの再生可能エネルギーシステムの設置が欠かせません。


ZEH住宅のメリット4つ



ZEH住宅には、CO2削減に効果的で環境に優しい以外にも、その家を保有する人や、その家で生活する人にとって嬉しい、さまざまなメリットがあります。ここでは、ZEH住宅がもつ多くのメリットの中でも、とりわけ注目されているものを4つご紹介します。


光熱費を抑えられる


ZEH住宅では、太陽光発電などのシステムを用いた自家発電が可能です。再生可能エネルギーの自家発電によって、住宅で使う電力をまかなえます。また、自家発電で創出して余った電力を電気会社に売った場合は、収入を得ることも可能です。

 

ZEH住宅の断熱性能はとても優秀です。冷暖房を効率よく使用できるため、生活に必要な電力のうち、かなりの割合を自家発電した電力でまかなえるでしょう。

 

省エネ・創エネが可能なZEH住宅では、毎月の光熱費を抑えられるため、高い経済性を期待できます。


快適で健康的な住まいを実現できる


高い断熱性能をもつZEH住宅は、外気温の影響を受けにくいため室温を一定に保ちやすいという特徴があります。夏は涼しく冬は暖かい、快適な住まいの実現が可能です。

 

また、高い断熱性能によりヒートショックのリスクが下がります。ヒートショックとは、急激な温度の変化によって血圧が上下に大きく変動し、身体に心筋梗塞や脳卒中などの悪影響を引き起こすことです。暖かい部屋から寒い部屋、例えば脱衣所などに移動する際に起こりやすいため、住宅内の室温に極端な温度差を作らないことはヒートショックの予防に効果があると言えます。

 

快適で健康的な生活を期待できる点は、ZEH住宅の大きな魅力です。


災害・非常時に対応できる住まいを実現できる


ZEH住宅に蓄電池を設置しておけば、災害や非常時に対応できます。蓄電池とは、太陽光発電で自家発電した電力を蓄えられる設備です。

 

停電が発生した場合でも、蓄電池への切り替えによって電気を使えます。電気の復旧まで時間のかかる事態に陥っても、住宅に蓄えている電気を使える安心感は大きいでしょう。

 

蓄電池の設置は、ZEH住宅の必須要件ではありません。しかし、災害・非常時に活用できる点を考慮すると、蓄電システムの設置には「安心感」という確かな利点があると言えるでしょう。国から補助金が出る場合もあるので、検討される理由の一つです。


住宅の資産価値を向上できる


建物に対する省エネルギーの取り組みを評価するため、国は「建築物省エネルギー性能表示制度(BELS、ベルス)」を設けました。

出典:国土交通省「建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の開始について~ビル等の建築物の省エネルギー性能を評価する新たなラベリング制度~」

 

BELSでは住宅の省エネルギー性能について評価・認定でき、5段階の星マークによって評価されます。星マークが多いほど評価が高く、住宅の資産価値も高くなります。

 

ZEH住宅は省エネルギーに特化しているため、BELSで高い評価を得ることが可能です。転居や相続などの事情によって住宅を売る必要性が生じた場合でも、ZEH住宅は比較的高値で売却できる可能性があります。


ZEH住宅に関する補助金制度


ZEH住宅の補助金制度は、国土交通省・環境省・経済産業省の3省が連携して実施しています。戸建住宅の主なZEH補助金制度は、以下の3区分です。

 

ZEH

外皮性能の向上や省エネルギー・再生エネルギーの導入で、年間の1次エネルギー消費量の収支ゼロを目指した住宅(エネルギー削減率は省エネ基準比20%以上)です。

ZEH+

より高性能なZEHで、省エネ基準比25%以上の1次エネルギー削減、需給一体型を目指す住宅です。

次世代ZEH+

ZEH+の性能に加え、再生エネルギーなどのさらなる自家消費の拡大を目指す住宅です。

 

上記の3区分に加え、CO2収支のマイナス化を進めたLCCM住宅への補助金制度もあります。2022年度のZEH補助金制度では、区分や要件に応じて、55万~140万円の補助金を受けることが可能です。

出典:資源エネルギー庁「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの推進に向けた取り組み」

 

ただし、補助金制度の利用にあたっては、地域ごとに決められた断熱性能のクリアや、再生可能エネルギーシステムの導入など、詳細な条件が定められています。また、制度や適用要件は年度により変化するため、都度要件の確認が必要です。

※補助金の制度は年度により、施策が大きく異なります。住宅の建築を検討中は必ず最新の情報を各省庁や自治体のHP等で確認し、自身が該当するのか判断してください。


まとめ


ZEH住宅とは、太陽光発電システムのエネルギー創出などにより、1年間の生活で創るエネルギーを増やしエネルギーの収支をゼロ以下にした住宅のことです。設備の導入や断熱性能の高い資材の使用で、快適な環境と省エネルギーの両立を目指します。ZEH住宅には、省エネ・断熱・創エネの3つの要素が求められます。

 

ZEH住宅の最大のメリットは、光熱費を削減できることです。また、災害・非常時に対応できる、快適な住まいを実現できるなど、長期にわたるメリットがたくさんあります。

ZEH住宅の補助金制度もあるので、家づくりの予定がある人は検討されてみてはいかがでしょうか。

 

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