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お家づくりの基礎知識|家の構造を考える~木と鉄~

家族の将来を想像し、いつ頃どんなライフイベントがあるのかなど、日々の優先順位付けが時間の有効活用につながるとも言われています。

いざ、お家づくりを考え始めると、間取りやインテリア・耐震性能など何から考えていけばよいのかという優先順位付けに加えて、家族の要望を叶えてくれる会社選びも大切です。また、会社によって特徴やアピールポイントが異なるため会社を決めるだけでも、ひと苦労。

お家が完成してからの暮らしを想像して、「住まい心地」について考えてみませんか?

家の中の暑さや、寒さは住まい心地に大きな影響を与えます。その一端を家の構造材が担っているとしたら…。


家の構造の素材に着目


家の構造材を素材の観点から紹介します。家の構造材には、一般的に広く何が使われているかをご存じですか?

 

家の構造に使用される構造材の材質で分類すると、「木質系」と「鉄骨系」の2つに分けることができます。材質を比べると、熱の伝わりやすさに大きな違いがあります。

そのため、素材に適した対策を施さないと、室外の熱が室内へそのまま伝わってしまうことがあります。

 

たとえば、熱の影響を受けやすい素材を使った家で暮らす場合、夏は暑く、冬は寒くなるのです。

 

こうした素材の熱の伝わりやすさを比べる指標に「熱伝導率」があります。構造材の熱伝導率が、室内にどのような影響を与えるのかを紹介します。

 


熱伝導率について考えてみよう!


熱伝導率とは、物質の熱の伝えやすさを表した数値のことをいいます。物質に温度差がある場合、温度の高い部分から低い部分へと熱が移動する現象が生じます。

 

つまり、熱が伝わりやすい物質は、熱が移動するスピードが速く、反対に、熱が伝わりにくい物質は、熱が移動するスピードが遅くなります。

 


■ 熱伝導率が高い素材


高い熱伝導率を利用したものに、フライパンや鍋のような調理器具があります。

 

 

熱伝導率が高ければ高いほど熱を伝えるスピードが速く、火の熱を無駄なく食材へ伝える加熱調理ができるのです。


1.2 熱伝導率が低い素材


一方、熱伝導率が低い物質について考えてみましょう。

 

たとえば、空気です。空気を使った身近な素材として、発砲スチロールが挙げられます。発砲スチロールといえば、クーラーボックスの代用としても使われていますよね。

 

保温・保冷に優れる 発泡スチロールを拡大

 

発砲スチロールは小さな空気の部屋で構成されており、この小さな部屋では、空気の対流が少なく熱が伝わりにくくなります。真夏であってもクーラーボックスの中の氷が解けにくいのはそのためです。

 

また、空気を利用した断熱方法に、ダウンジャケットがあります。ダウンは、羽毛の隙間に空気を貯めることで空気の層を作り、身体側で温まった空気をうまく保持します。

 

寒い冬は欠かせないダウンジャケット 羽毛=ダウン

 

 

このように、熱伝導率が低い物質は、工夫次第で断熱材として利用することができます。


家の構造材を考えよう


それでは、今までの話を踏まえて、家の構造材が室内に与える影響を確認していきましょう。


■ 構造に「木」を使う


 

木は高温多湿の日本において優れた構造材だといえます。それは、木の細胞が空気をいっぱいに含んでいるからです。

 

上の項目で紹介したように、空気には熱を伝えにくい性質があります。つまり、木は発砲スチロールと同様に空気を含む素材であるため、熱伝導率が低くなるのです。鍋の取手や鍋敷きが木でできている理由も同じです。

 

 

ちなみに、木の熱伝導率は、0.087w/(m・k)です。この値は、鉄の1/440、コンクリートの1/13に相当します。

 

 

このように、木は室外からの熱を室内へ伝えにくいため、外気や家の基礎からの熱を遮断する効果があります。


■ 構造に「鉄」を使う


 

 

構造に鉄を使う場合を考えていきましょう。鉄骨住宅は、木造住宅よりも構造材の間隔を広くとることができるため、開放的な間取りができることが特徴です。

 

さて、熱伝導率はいかがでしょうか。真夏のマンホールなどを想像するとわかりやすいと思いますが、鉄のように熱伝導率が高い素材は、かなり熱くなってしまいます。

 

反対に冬の寒空の下、鉄製のベンチはいかがでしょう。冷たそうに感じ、自ずと別のベンチを探した経験があるのではないでしょうか。このように、熱伝導率が高いと周囲の温度に影響されやすいのです。

 

家の場合はいかがでしょう。壁の断熱が不十分だと、構造自体が室外の熱を室内に伝えてしまうかもしれません。

 

 

とくに鉄骨の構造が基礎の上に直接乗っている場合は、基礎からも熱の影響を受けてしまいます。そのため鉄骨住宅の場合は、構造の材質を補う十分な断熱補強と構造が求められます。


■ 断熱材も構造材の素材で効果が決まる!


昨今の家は壁の中に断熱材を入れて、室内の熱と室外の熱を遮断する構造になっています。

 

 

 

断熱性能が高ければ、夏は涼しく冬は暖かい生活を送ることができます。構造材の熱伝導率のことも視野に入れて、しっかりとした断熱性能のあるお家づくりをしましょう。

 


まとめ


構造の素材が住まい心地にも関わることをお分かりいただけたと思います。夏が年々暑くなっており、素材の熱伝導率を加味した断熱性能の家づくりをすることが重要です。

 

ただし、お家には構造材の熱伝導率が低いだけでなく、安心して暮らすことのできる強さも欠かせません。もし、お家づくりをお考えでしたら、住みやすさと安全性を考えて構造材を比べてみてください。イムラの住まいは、お客様から「夏涼しく、冬暖かい」と高評価をいただいております。

 

 

それは、断熱材へのこだわりもさることながら、イムラの家が木造というところが一番大きいです。イムラでは、構造材として川上村で丁寧に育てられた銘木吉野杉を使用しています。

 

 

吉野杉は年輪の幅が緻密で均一なため、他県産の杉よりも強度があります。吉野杉は生活の快適さと強いお家を両立できる数少ない素材です。また、イムラが使用する吉野杉は、奈良県の出荷基準をすべてクリアした信頼できる奈良県認証材です。

 

 

イムラでは建築中の構造現場へのご案内も行っております。完成すると見えなくなってしまうお家の構造。どんな材料が使用され、どのような工事が施されるのか。実際に目で見て、触れていただけます。

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イムラは奈良・大阪で家づくりを行っている工務店です。建替えや新築、またリノベーションについてのご相談も承っております。ぜひ一度、お近くの展示場にて吉野杉の香りとぬくもりをご体感ください。みなさまのご来場を心よりお待ちしております。