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注文住宅の家の間取り|間取りのポイントやケース別の間取り例、失敗談を紹介

 

家族構成やライフスタイルに合わせて間取りを自由に決められるのが、注文住宅の大きな魅力。

それと同時に「どこから考えればよいのか分からない」と悩んだり、住み始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔したりする場合も存在します。今回は、間取りを考える時のポイントやケース別の間取り例、実際の失敗談などをご紹介します。


間取りを考えるときのポイント


 

間取りを考えるにあたり、多くの方が「いったい何から考えればよいのだろう」と悩むかと思います。そこで、間取りでお悩みのお客様に対して、イムラがご提案するポイントをご紹介します。これらを一つひとつ丁寧にクリアしていきながら家族や自分の希望を形にしていくことで、後悔のない理想の間取りが実現します。

 

  • 家族の要望に優先順位を決める
  • 採光・風の通り方
  • 移動のしやすさ
  • 音の問題への配慮
  • 配管計画
  • 家具の配置をイメージ
  • 家族が集まりやすい工夫


■ 優先順位を決める


まず家族でそれぞれ、住まいに望むことを自由に話し合ってみましょう。最初はどんなことでも大丈夫です。

 

たとえば、

  • 玄関に野球道具の収納スペースを作りたい
  • 和室がほしい
  • 親の目が届くリビングに子どもの勉強スペースを確保したい
  • 1階だけで主な家事動線を完結させたい
  • どの部屋からも外の緑を眺めたい など。

 

十分に意見が出たところで、どうしても実現が難しいものは省き、残ったものに優先順位をつけていきましょう。

 

優先順位を決めるにあたり、当然、家族で意見が割れることも考えられます。そういう場合は、【家に長時間いる人の意見を尊重すること】を原則にするのがおすすめです。

 

また、家事がしにくい間取りは家族全員の生活に影響を与えますから、主要な家事を担当する主婦(主夫)の意見も尊重しましょう。趣味や子育て、ペットを重視する場合には【将来的に状況が変わった時に対応が可能か】も考えておくとよいでしょう。


■ 採光や風の通り方


優先順位が決まったら、次に考えたいのは採光や風通し。家で過ごす時間の快適さを考えた時に、とても大切な要素になります。

 

たとえば、家族が長い時間を過ごすリビングは、日当たりのよい南向きを選ぶのが一般的です。西向きや西側に大きな窓がある間取りでは、「西日が眩しくてくつろげない」という失敗が起こりがちです。寝室の東側に窓があれば、朝日を浴びて気持ちのよい一日がスタートできます。ただし、「夜勤が多く、朝に就寝する人がいる」と言った場合には、状況に合わせた配慮が必要になります。夏は浅い角度で、冬は深い角度で日が差し込むことも考え合わせておきましょう。

それに対してトイレや浴室などの水廻り、クローゼットは、あまり日当たりを重視する必要はありません。

 

衛生的で快適な生活を送るためには、風通しも大切です。空気がよどんでしまいそうな箇所はないか、風の通り方を考えてみましょう。1つのつながった空間に2つ以上の窓があれば、空気がスムーズに流れます。北と南、西と東というような対面、もしくは高低2カ所に窓を配置できれば理想的です。


■ 生活のしやすさ


間取りを考える上では、実際の生活を想像してみることも大切です。家族一人ひとりの生活を思い浮かべ、朝起きてから夜寝るまでにどのような行動をするか思い浮かべてみましょう。

 

家の中の主な動線には「家事動線」と「生活動線」の2種類があります。

 

  • 家事動線:料理、洗濯、掃除など、家事を行うための動線
  • 生活動線:食事、入浴、トイレ、団らんなど、日常生活を送るための動線

 

とくに、家族のなかに就寝・起床時間が大きく異なる人がいる場合、眠りを妨げる動線はないか、注意が必要です。通勤・通学前の朝の様子を思い浮かべ、混雑が起こる場所がないかも確認しましょう。

 

また、来客時のことも考えておく必要があります。玄関からおもてなしスペース、トイレに移動する動線から、家族のプライベート空間が丸見えになるのはストレスのもとです。


■ 音の問題への配慮


生活上、ストレスの原因となりがちな要素に「音」があります。音には「家の外から入ってくる音」と「家の中で発生する音」があり、両方に注意が必要です。

 

外から入ってくる音の代表は車の騒音。交通量の多い道路に面した住まいで道路側に寝室があると、夜、安眠できないのは言うまでもありません。状況によっては、隣家のテレビやオーディオ、エアコンの室外機が気になることもあるでしょう。

 

家の中で発生する主な音には、キッチン・トイレ・浴室といった水廻りの音、洗濯機・食洗機の音、声や足音などがあります。特に深夜、家族が寝静まった後のトイレ音は気になるもの。シャワーの水音も想像以上に響きます。水廻りと寝室の位置関係だけでなく、配管位置にも注意してください。二世帯住宅の場合は、同居する家族の生活音も考慮しましょう。


■ 配管計画


先ほど、音の問題に関連し、水廻りの配管と寝室の位置関係について触れました。配管には大きな工事費用がかかるため、音だけでなくコスト面からの配慮も必要です。

 

そのためにもキッチン・洗面所・トイレ・浴室は1つのエリアにまとめ、できるだけ配管を短くするのが一般的です。各階にトイレを設ける場合でも、上下の位置が近くなるようにできる限り、上下の位置が近くなるよう配置します。水廻りをまとめると、配管のメンテナンスがしやすくなるというメリットもあります。

 

水廻りは1階にするのが一般的ですが、必ずしも1階にこだわる必要はありません。

「2階に洗濯機を置き、洗濯物をベランダに干して、乾いたらそのまま2階のクローゼットにしまいたい」

「上階は湿度が低いので、水廻りにも衛生的」

などの理由から、2階に水廻りを配置する住宅もあります。


■ 家具の配置をイメージ


家具の配置についても考えてみましょう。

特にダイニングセットやソファ、テレビ台などの大きな家具は、位置によって圧迫感が生じたり、部屋を狭く見せたりしてしまうことがあります。これらの家具はどこで食事をとるか、どこで団らんするかなど、家族間のコミュニケーションに関わるものでもあります。

 

自分たちの生活では、どんな家具が必要か、どんな使い方をしたいか、またそのためにはどんな置き方をするのがよいのかをイメージすることで、自然と間取りも定まってくるでしょう。

 

必要な家具によって

  • リビングは正方形にしたい
  • 窓のない、大きな壁が欲しい

などといった希望が出てくることもあります。

 

なお、家具の配置を検討する時には、家具のサイズだけでなく実際に使う時のことも考えましょう。引き出しや扉を開けた時や、カバー類や寝具を交換する時のことなどもイメージしておかないと、思わぬ失敗をすることになります。


■ 家族が集まりやすい工夫


とくに子どもがいる家庭では、家族の集まりやすさも考えておきたいところです。

 

たとえば、玄関から子ども部屋まで誰にも会わずに直行できる間取りでは、どうしても家族とのコミュニケーションが取りにくくなります。リビングを囲むように子ども部屋を配置したり、リビングに階段を設けたりするのも一つの方法です。共働きの忙しいご夫婦は浴室とリビングの動線をつなげて、お風呂上がりのちょっとした時間にリビングで団らんするといったアイデアもあります。

 

リビングなど家族が集まるスペースは、日当たりや風通しを工夫し居心地をよくする工夫も大切です。


実際の間取り例



間取りを考える際、実際の間取り例を参考にするのもとてもよい方法です。「このアイデアはぜひ取り入れたい」という工夫が見つかることもあれば、すでにある間取り図をもとに自分の家庭に合うように変更を加えることで、理想の間取りに近づけることもあります。

当社で実際に施工させていただいた事例を紹介します。

 

  • 夫婦2人世帯
  • ファミリー世帯
  • 二世帯住宅
  • 平屋


■ 夫婦2人世帯


まずはご夫婦お2人、T様の事例です。

 

【間取り図】

【住宅概要】

敷地面積:103.3㎡(31.2坪)

間取り:2LDK+S

延床面積:98.4㎡(29.8坪)

 

ご自宅が古くなり、特に冬が寒くてつらいと感じられたT様。お子様たちが独立され、ご夫婦2人の生活を快適に暮らしたいと思われたことから、この住宅を建築されました。

 

工夫したポイントは高齢のお二人にとっての暮らしやすさ。1階に和室を設け、セカンドライフを見据えてお家の建替えをされました。将来は1階だけで生活を完結させることも可能です。

 

その一方で2階にもトイレを設け、就寝後も気軽に利用できるようにしました。近隣に家が建ち並ぶため、吹き抜けに窓を設けることで明るいリビングを実現しています。


■ ファミリー世帯


こちらはご夫婦とお子様2人、I様の事例です。

 

【間取り図】

【住宅概要】

敷地面積:217.1㎡(65.7坪)

間取り:4LDK

延床面積:163.44㎡(49.4坪)

 

「広いLDKとアジアンリゾートのような空間」というI様のご要望に、吉野杉をふんだんに使用しながらも家具やカーテンでアジアンリゾートの雰囲気を演出したお住まいです。奈良の注文住宅ならではの素材のよさを存分に生かしたお家となりました。

 

リビングにスタディコーナーを設け、お子様が宿題をする様子を親御様が見守られたり、コミュニケーションを取られたりするよう工夫されています。玄関の土間収納にはアウトドア用品やお子様の遊び道具が収納でき、外の汚れを室内に持ち込みません。風通しや家事動線といった機能性も兼ね備えたお住まいです。


■ 二世帯住宅


ご夫婦とお子様2人、さらにご主人様のお母様が住まわれる二世帯住宅です。

 

【間取り図】

 

【住宅概要】

敷地面積:302.24㎡(91.4坪)

間取り:5LDK+S

延床面積:133.31㎡(40.3坪)

 

リビングやダイニング、水廻りは共用。1階には共用部分とお母様の部屋、2階にはご夫婦とお子様の部屋があります。広いリビングには掃き出し窓があり、開放すればアウトドアリビングとしても楽しめるウッドデッキを設置。

 

リビングの吹き抜けには高窓を開閉するためのキャットウォークを設置し、風を取り込めるようにしています。1階、2階に世帯の居室を分けることで、お互いにプライベートな時間を気兼ねなく過ごすことができます。


■ 平屋


最後に平屋の事例を紹介しましょう。

ご夫婦2人、お住まいです。

 

【間取り図】

【住宅概要】

敷地面積:215.34㎡(65.1坪)

間取り:2LDK

延床面積:107.31㎡(32.5坪)

 

シックで上品な癒やし空間が広がる平屋で、デッキを囲むワンフロアの間取りが特徴です。主寝室は南東の角で、東側に2つ、南側に1つの窓から朝日が存分に降り注ぎます。主寝室、リビング、和室、さらにデッキを南側に面し、一日を通じて自然光を感じられる間取りとなっています。

 


よくある間取りの失敗談


 

どんなに熟考を重ねても、住み始めてから「しまった!」となることがあるものです。特によくある失敗例が次の3つ。参考にして、同じ後悔をしないようにしましょう。

 

  • 収納スペースが足りない
  • コンセントの位置や数が不便
  • 部屋の広さが広すぎ・狭すぎ


■ 収納スペースが足りない


収納スペースの目安は、一般に床面積の10~15%が目安とされています。ところが、実際のところはそれぞれのご家庭ごとに「どの程度の収納スペースがあれば足りるのか」ははっきりと分かりにくいものです。

 

「部屋を大きくした結果、収納スペースが足りなくなってしまった」という声のほか、「十分な収納スペースを確保したつもりだったが、やはり足りなかった」と後悔する人の話もよく耳にします。

 

そのほか

  • 収納スペース上部が階段で斜めになっているため、思ったほど物が入らない
  • 収納スペースの奥が暗くて、物を探すのに苦労する
  • 収納スペースが2階に偏ってしまい、1階に物を置けず不便 などといったパターンも見受けられます。

それに加え、広さ以外に「どこに作るか」も重要だと言えるでしょう。「収納スペースを増やすことで物が増える。狭いぐらいにして、断捨離をする方がよい」という考え方もあります。


■ コンセントの位置や数が不便


「完成後の後悔」で常に上位にランクインするのが、コンセントに関する失敗です。「つけておけばよかった/数が足りなかった」という声が多いのは「テレビ周り」「キッチン」「ベッド周り」。

 

便利家電やAV機器の進化、スマホの普及により、コンセントの必要数は増えています。圧倒的に数が足りず、タコ足配線になっているという家庭も多いようです。このほか、ウォークインクローゼットや階段下収納、屋外、さらにベランダにも「つけておけばよかった」という声が聞かれます。

 

数だけでなく「寝室にコンセントを付けたけれど、ベッドでスマホを充電するには遠すぎる」など、位置に関する後悔も尽きません。

 

逆に「子ども部屋のコンセントは最低限にし、スマホの充電をしたりテレビを見たりするのは家族の目が届くところでさせるようにすればよかった」と後悔する親御さんの声も聞かれます。コンセントの数を増やすなら、電気容量もある程度大きくしておく必要があることを認識しておきましょう。


■ 部屋の広さが広すぎ・狭すぎ


「部屋が広すぎて後悔」とは意外なようですが、失敗談は決して少なくありません。広すぎて後悔する場所で多いのが、寝室やトイレ、キッチンです。広すぎるトイレは落ち着かず、寝室においては冷暖房効率も低下します。広々としたキッチンは主婦(主夫)の憧れですが、広すぎると動線がムダに長くなり作業効率が悪くなります。狭くて後悔する場所の筆頭は脱衣所。着替えのために腕を伸ばしたり曲げたりする場所のため、予想以上に狭く感じがちです。洗濯物干し場と兼用になる間取りでは、より狭く感じられる傾向があります。

 

子ども部屋も「小さい頃はよかったけれど、成長するにつれて体が大きくなり、持ち物も増えて狭くなった」ということが起こりがち。とはいえ将来子どもが独立した時のことを考えると、広すぎるスペースを確保しておくのも考えものです。一度決めた大きさで無理に対応するのではなく、リフォームを含めた解決法が最善な場合もあります。


まとめ


どんなに考え抜いても、100点満点の間取りを実現するのは難しいものです。それでもすでに家を建てた人の話を参考にすることで、住み始めてからの「ああすればよかった!」は大幅に減らすことができます。奈良で注文住宅を扱う工務店、株式会社イムラでは、お客様の疑問や不安に誠実に寄り添います。わからないことや心配なことがあれば、お気軽にご相談ください。