ひとつの部屋の中でも温度差がある?
室内の天井に近い高い位置と床に近い低い位置では、温度差が生まれます。たとえば、冬場に暖房をつけると顔まわりは暖かいのに、足元は寒いということはありませんか?これは、空気には温めると軽くなってと上へ移動し、冷えると重くなって下へ移動する性質があるからです。
木造校舎と鉄筋コンクリート造の校舎を比較した調査によると、学校の教室で、床上100㎝(椅子に座った子どもの顔の高さ)と、床上10㎝(足元)付近の温度を測定。木造の教室は鉄筋コンクリート造の教室に比べ、室内の温度差が少ないという結果が出ました。
つまり木造の建物では、背の高い大人背の低い子どもも、温度差なく快適に過ごしやすいということです。
木材を使用することで、お子様にも配慮した環境になります。また、木造の建物は秋や冬の夜間でも気温の低下が少ないことも検証されています。それに加えて、小中学生へのアンケートでも、木造の教室は鉄筋コンクリート造の教室に比べ、暖かく感じるという回答が多く寄せられています。子ども達は、敏感に木の温度差を感じていることが裏付けられます。
木造住宅で温かく体に優しい環境づくりをされてはいかがでしょうか?
部屋の二酸化炭素濃度について考えてみよう
次は、室内の二酸化炭素濃度についてです。
室内の二酸化炭素濃度が高くなると、集中力の低下や眠気を誘います。もちろんそれが教室であれば、子どもの集中力は低下し、学習効果の低下にもつながります。では、木造の教室とコンクリート造の教室の、室内の二酸化炭素濃度を比較すると、どちらが過ごしやすいのでしょうか。
一般的に、木造の建物は、鉄筋コンクリート造の建物に比べ、室内の二酸化炭素濃度が高くなりにくいと言われています。
では、なぜ木造の教室は、室内の二酸化炭素濃度が高くなりにくいのでしょうか?
それというのも、木は多孔質という性質をもち、一度にたくさんの二酸化炭素を吸収することができるからです。多孔質とは、目に見えないほど小さな孔がたくさん空いている材料のことを呼びます。木は、水を含むためのパイプのような道管が組み合わさってできており、空気中の二酸化炭素や悪臭を、小さな孔に留めたり表面に吸着して吸収します。
多孔質の素材は、たくさんの孔が空いていることから表面積が大きくなり、一度にたくさんの二酸化炭素を吸収することができます。
冬場など、窓の開閉が少なくなりやすい時期は、部屋の中の空気がどんよりしていると感じることはありませんか?
そんな時期でも木造の建物は、よりすっきりと集中しやすい環境を提供します。たとえば、子ども部屋にも木材を使うと、お子様もより勉強に集中できるかもしれません。
木の香りと見た目の効果
校舎内の空気に含まれている成分を調査した研究では、木造校舎では杉の香り成分(セスキテルペン類)が検出され、鉄筋コンクリート造の校舎では、室内で使用されているワックス、塗料の香り成分が検出されています。
小中学生へのアンケートでも、杉の香りは「やすらぎとさわやかなイメージ」という回答が多く、子ども達も杉の香りの高さを実感していることが伺えますが、それは、セスキテルペン類という杉の香り成分が人の脈拍を下げ、リラックス効果をもたらすからです。子ども達は、杉の香りがもたらすリラックス効果を自然に感じ取っているのでしょう。
また、内装に多くの木を使用している教室は、視覚的にも温かく感じたりリラックス感が高まったりするため子ども達からの人気も高いです。温かみのある落ち着いた室内でのんびり過ごしたいという方には、ぜひ木質感のあるお家づくりをオススメします。
木のぬくもりで心のやすらぎ効果
学校の教室に使われる素材がその空間で過ごす子どもの心情に、どのような影響を与えているのかを調べた研究があります。
その研究によれば、不安傾向や抑うつ、気分の変化や劣等感、神経質や攻撃的、情緒不安定のいずれも木造校舎の方がコンクリート造の校舎よりも安定しているという結果になりました。これらの結果から、木目や材色のやさしさ、気分を落ち着ける木の香りなど、自然の感触が情緒を安定させるのに役立っていると考えられます。
まとめ
今回は学校校舎に関する調査を踏まえて素材による室内環境の違いをご紹介しました。このことから、木造という点において考えると、木造住宅も同様に子ども達にとって過ごしやすい環境だと言えるのではないでしょうか。
イムラは奈良・大阪で素材にこだわった家づくりを行っている工務店です。建替えや新築、またリノベーションについてのご相談も承っております。ぜひ一度、お近くの展示場にて吉野杉の香りとぬくもりをご体感いただき、吉野杉のリラックス効果をご確認ください。みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
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