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お家づくりの基礎知識|土地探しと土地選びのポイントは?成功の決め手は「優先順位」をつけること!

マイホームを建てるにあたって、土地探し・土地選びは大切です。良い土地に巡り合えないと、思い描く理想のお家が建てられなかったり、住みにくさを感じながら、我慢して暮らすことになるかねません。マイホームは高価な買い物。だから、土地選びには失敗したくないですよね。良い土地を見極めるポイントやコツなどを紹介します。


よい土地とは?



一般的に良い土地って、どんな土地なのでしょうか。駅から近い土地、近くに学校や病院、スーパーマーケットが近くにある土地など、人それぞれに異なりますが、一般的に良い土地とは、地盤が安定していて、災害に強く、住環境が良いなどの条件が挙げられます。

 

良い土地は、誰にとっても魅力的なので、購入希望者が殺到します。そして、すぐ買い手が決まるため、情報公開されてもすぐに予約が入ります。つまり市場に出ても、あっという間に売れてしまうので、よほどアンテナをしっかりと張っていない限り、お目にかかれるものではないことを知っておきましょう。

 

良い土地や掘り出し物の土地は、待っているだけでは自分のところにやってきません。自分から積極的に探す努力が必要です。

 

良い土地を見つけるためには、土地に対する希望を整理することから始まります。希望はできるだけ明確しておくと、良い土地を発見しやすくなります。


マイホームを建てたいエリアを探すには



マイホームを建てることを決意したら、次はエリアを絞り込みます。エリアを探すには、事前にやってほしいことがあります。漠然としたイメージや固定概念でエリアを探すと、本当に良い土地は見つかりません。良い土地を見つけるためにポイントは、どのようなエリアでどのような暮らしがしたいか、条件を絞り込んで、優先順位を付けることです。

 

まず、いろんな条件を書き出してみましょう。

 

たとえば、

  • 小中学校が徒歩10分圏内にある
  • 同年代が多く住むエリア
  • 子育てしやすい環境にある
  • 買い物に便利
  • 職場までの通勤の利便性

 

いろいろ条件を書き出して、最終的に譲ることができない3つに絞り込んだ後、優先順位を付けます。優先順位を付けることで、自分たちのマイホームに本当に必要な土地なのかが、判断できるというわけです。

 

3つという数にもポイントがあり、要件が3つだと人間の脳が記憶しやすく、すぐアウトプットできるようです。良い土地に巡り合ったとき、優先順位がたくさんあると、記憶をたどっているうちに、誰かに取られてしまうかもしれません。

 

条件を出す上で意識するポイントは以下の通りです。

 

  • 交通利便性
  • 自然環境
  • 医療環境
  • 教育環境
  • 買い物環境
  • 街の将来性

 

駅から近くて、公園も、病院も学校も近くて、買い物しやすい土地があれば最高ですよね。しかし、理想の土地を追求すると、価格が天井知らずになってしまいます。それぞれの条件について、見るべきポイントを押さえて、気になる土地を探してください。


■ 交通利便性を考える


交通利便性が高いエリアとして、最寄り駅に近い土地、急行電車が停まり、電車が複数乗り入れているターミナル駅の近く、目的地に乗り換えなしに行けたり、駅へのバスの本数が多い地区などがあります。

 

一般的に「駅近(えきちか)」と言われる土地は、徒歩10分程度にあるものです。不動産広告表示される時間は80mを1分と換算しています。信号待ちの時間などは含まれていないので、ご注意ください。

 

通う時間が短いと負担が少なく、効率的です。朝の忙しい時間をゆったりと過ごすことができ、駅周辺の商業施設も多く、便利で快適に暮らすことができます。駅周辺には街灯などが多くあるため、女性一人で、夜遅く帰宅するときでも、安心です


■ 自然環境だけで決めてはいけない


自然環境が良いエリアとは、公園や緑地、遊歩道、山、川、神社・寺などが土地の近くにある場所が挙げられます。自然環境に恵まれた場所は、これから子どもが成長していく家族にとっておすすめで、広い土地でのんびりと子育てをすることができます。

 

しかし、自然環境に恵まれた土地だけど、公共施設が近くになく、買い物に不便で、通勤・通学にも時間がかかり過ぎていては大変です。バスが1時間に1本しかなかったり、スーパーマーケットへ行くのに車で片道20分以上かかっていては日常生活に不便を感じます。生活するには車が必需品となります。


■ 商業施設の近くはどう?


商業施設は、コンビニ、ショッピングモール、商店街などのこと。駅周辺には、駅ビルの中に商業施設がまとまっていたり、コンビニも数軒あったりします。商業施設が近いエリアは、お店が密集していて、にぎやかで活気がある場所です。

 

最近では、郊外に大型商業施設が建設されることも多く、若いファミリー層に人気ですが、週末は大型商業施設の駐車場待ちの車が長い列をつくり、周辺に渋滞が発生することも。

 

商業施設について考えておくことは、日常生活が便利になるとともに、パートやアルバイトとしてお店で働くということもできるため、ぜひ検討してほしい条件のひとつです。


■ 公共施設について考える


公共施設とは、行政サービスを行う役所、病院、郵便局などをいいます。

 

近くに病院があると、家族が病気になったとき安心です。子どもが急に具合が悪くなっても、すぐに駆け込むことが可能です。

 

郵便局が近くにあると、メルカリやラクマなどに出品したり、荷物の発送、書留などの送金に便利です。郵便局ならではのサービスがあったり、振込手数料もコンビニと比べると安くなることがあります。

 

行政サービスを行う役所は、時間帯によって手続きを行う人で混雑することが多いため、近くにあると、あさイチで手続きをすることができ、待ち時間が短縮できます。


■ 将来を見据えた教育環境


教育施設とは、保育園や幼稚園、小中学校、子どもの塾、図書館などをいいます。子育て中の家族にとっては、教育環境が整っているエリアは、優先順位が高くなります。学校が徒歩15分以内の場所にあると、子どもが通学するにも、親が学校行事に参加するにも便利です。子どもの通う塾も車で10分以内の距離にあると、送迎しやすくなります。

 

図書館が近くにあると、本を買わずにすみ、図書館のお話会などのイベントに親子で参加することができるので、子どもの教育に役立ちます。

 

教育環境が整っていると、子育て真っ最中の家族連れは、のびのびと活動できるようです。


■ 街の将来性を想像しよう


再開発の実施や、新しい駅の誕生などで、街の様子がガラリと変わることもよくある話です。良い土地を選ぶ条件の一つに街の将来性があります。

 

不動産の価値の8~9割以上は立地、つまりその土地がどこにあるかで決まります。マイホームを建てるための土地選びは、10年、20年後も同じ場所で暮らせるように、街の将来をイメージしておくことが大切です。

 

判断基準として、人口の増加、年代別の推移や労働人口などの自治体のデータが参考になります。再開発計画の情報も自治体が把握しているため、公式ホームページなどを参考にしてみてください。街の不動産屋さんと話をすることもおすすめです。

 

将来的にどのような街になるのかをイメージして、自分たちがそこでどのような暮らしをしたいのかもイメージすることがポイントです。


エリアの中で気に入った土地を選ぶポイント



マイホームを建てたいエリアを絞り込んだら、気に入った土地を選びます。土地を選ぶチェックポイントは以下の通りです。

 

  • 建築に関する規制や種類
  • 土地の形や規模の制約
  • 災害リスクの情報収集
  • その他(土地と道路の高低差、日当たりなど)

 

購入した土地に、必ず家が建てられるとは限りません。建物に関する規制があり、家を建てられないと土地かもしれません。土地の形も四角形が理想なのですが、都心部では難しそうです。ハザードマップをみて、災害リスクがあるかどうかを確かめることが大切ですが、地面ばかり見ずに、そこに住むイメージを膨らませながら土地をチェックすることも大切です。


■ 建築に関する規制や種類を確認しておこう


土地を購入して家を建てる場合、民法・都市計画法・建築基準法・自治体の条例などによる法規制があります。建物の建築で特に重要な「用途地域」は、都市計画法の中に定められています。

 

都市計画法のもと、建築物に関する細かい規制を定めたものが、建築基準法です。地域により建物の用途を規制したり、建ぺい率・容積率による制限、防火地域・準防火地域の指定などが定められています。

 

建築に関する規制や種類について調べておかないと、法律に適合していない、違法建築物を入手することになります。違法建築物は、大規模なリフォームや増改築ができないため、買い主探しが難しくなり、適法物件よりも安く、買いたたかれることもあります。相場より極端に値段が安い場合は、不動産屋や売り主に理由を聞くのもリスクヘッジの手段の一つです。

 

建築基準法などの法律は、時代に流れに合わせて改正されることも多く、家を建てた当時の基準では問題はなかったものの、法改正によって、現行法だと違法状態になってしまう「既存不適格」という物件も存在します。

 

建築に関わる規制などについてもある程度理解しておきましょう。


■ 土地の形や規模の制約


土地の形によって、建てる建物の形が決まります。理想は長方形や正方形の土地ですが、都心部などでは不整形な土地も少なくありません。不整形な土地とは、L字型や三角形の土地、傾斜地、高低差のある土地などのこと。建ぺい率・容積率などの制限が加わることも多いため、家を建てられるかどうかを建築士などの専門家にみてもらうのが良いでしょう。

 

不整形な道路は、方位と道路付けも大切です。前面道路がどの方角に向いているのかをチェックする必要があります。

 

土地の形や規模の制約について調べておかないと、整形地にしなければ家を建てることができないこともあります。不整形地は、購入価格や固定資産税などの税率が抑えられるというメリットがありますが、制約について理解しておかないと損をすることもあります。


■ 災害リスクの情報収集をしよう


災害リスク(洪水・浸水・土砂災害など)の情報を収集することは、土地選びの必須条件になっています。土地を買った後で後悔しないために必要だからです。

 

購入する土地がどのようなリスクがあるのかを知るためには、ハザードマップが一番です。国や自治体が発表するハザードマップは、各市町村で入手できます。さらに、情報収集の過程で疑問点があれば、売り主や仲介の不動産会社に確認することが大切です。あいまいなまま購入することのないように、納得するまで確認しましょう。

 

内閣府の防災情報のページをご参照ください。

参考:災害リスクの情報を入手しよう : 防災情報のページ – 内閣府


■ その他


その他、以下のことを調べておくことをおすすめします。

 

  • 土地と道路の高低差
  • 隣地との高低差・隣家の状況
  • 日当たりや風通し
  • 眺望がよい方角か
  • 朝昼晩の生活エリアの様子
  • 区画選び

 

土地を見に行くときに、道具を持って行くことで確認できる項目が多いです。天気の悪い日や時間帯をずらして確認するのがおすすめです。


土地と道路の高低差

土地と道路に高低差があると、家に入るのに階段を上らなくてはならない、土留のための擁壁が必要等の、敷地の造成に余計に費用がかかるため、敬遠されがちで、通常より坪単価が安かったりします。

 

高低差によりますが、道路より土地が50センチ以上高いと、追加費用が発生するケースが一般的です。
土地と道路の高低差がどれくらいなのか、メジャーでしっかり確認しましょう。


隣地との高低差・隣家の状況

隣地との高低差がある場合、土砂が崩れるのを防ぐための擁壁(ようへき)について注意が必要です。2mを超える擁壁を設置するときは、建築基準法で、確認申請を提出することが義務付けられていますが、古い家だと、確認申請されていないもの、検査済証のないものが見られます。

 

隣地との高低差がある場合、適正な擁壁がなされているか、隣地の建物用途は何かを、聞き取り調査しておくといいでしょう。


日当たりや風通し

日当りや風通しが悪いと、洗濯物が乾きにくくなり、カビが発生したり、衛生面に問題が生じます。清潔に暮らすためにも、日当たりや風通しを調べておくことが大切です。

 

方位を確認することは、家を建てる前提条件です。実際に家を建ててから、「方位が微妙にずれていて、日照時間が短くなり、風通しも悪くなった」のでは困ります。土地を見に行くときは、念には念を入れて、方位磁針を持っていくことをおすすめします。


眺望がよい方角か

窓を開けると、お隣さんの壁しか見えなかったら、ちょっと残念な気分になります。緑や海が見えたり、四季の風情が楽しめる、眺望の良い方角を調べておくと、家を建てるとき、その方角に窓を作ることで眺めの良い家をつくることができます。

 

日当たりの良さを重視して、南向きの窓にこだわっていると、景色の良い方角が台無しになってしまします。眺望の良い方角を調べて、場合によっては南向きにこだわらないようにしましょう。


区画選び

分譲地とは、家を建てやすい状態に整備された土地のこと。販売しやすいように、複数の区画に分けられているため、区画選びが必要になります。方角などによって、購入価格が異なります。

 

日当たりの良い方向の土地が道路に面していると、家の中にたっぷり光を取り入れることができますが、値段が高くなります。角に面している角地(かどち)は、2方向以上が道路に面しているため、開放感がありますが、やはり値段が高いです。また外構で隠す部分が増えるためにその点でも費用が増えます。

 

東西南北のどこある区画を選ぶかは、予算や日当たり、駐車スペースの広さなど、家族のニーズに合わせて選びましょう。南に位置する角地は多くの方が望まれますが、予算とすり合わせた上で、購入するかどうかを検討しましょう。


朝昼晩の生活エリアの様子

朝昼晩の生活エリアの様子は、異なる表情を見せるため、できれば3度現地に足を運びましょう。

 

朝の通勤時間帯の交通量はどうでしょう。大通りと大通りをつなぐ裏道になっていると想定したより交通量が多いということがありえます。騒音・排気ガスは気になりませんか。周囲のゴミ出しは適切になされていますか。ゴミ置き場の近くの土地の場合は、必ずチェックしておきたいところです。

 

昼間の人の往来はどうでしょう。ひっそりとしていますか。それともにぎやかですか。夜になると、子どもの泣き声や怒鳴り声が聞こえるかもしれません。電灯がないため、道が暗く寂しいこともあります。

 

雨の日にも訪れてみましょう。ゲリラ豪雨は想定外の雨量が短時間に集中します。地盤の低い土地の場合、浸水している箇所があるかもしれません。

 

時間や状況を変えて、できるかぎり何度も見に行きましょう。


まとめ


失敗しない土地選びは、いろんな条件から優先順位を3つに絞り込み、街の将来と家族の将来をイメージしてみることが大切です。マイホームを建てる土地について、家族で何を優先するか話し合ってみましょう。周囲の環境チェックや建築に関わる規制も理解しておくと、土地選びの際、お役に立つと思います。

 

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