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木の家(木造住宅)とは|選ばれる理由や建てる前に気を付けておきたい注意点を解説

木造住宅は調湿性や断熱性などに優れているといわれることがありますが、それが当てはまるのは、構造材や内装材に木材を使用した「木の家」に限られます。ビニールクロスを使用した一般的な木造住宅は、調湿性や断熱性などの面でのメリットはありません。

 

木の家が選ばれる理由や使用される木材の種類、木の家を建てるときの注意点などを紹介していきます。


日本の戸建ては木造住宅が多い



日本の戸建ては木造住宅が多くを占めています。総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、戸建ての構造の92.5%が木造で、9割を超える水準です。

 

日本には木材が豊富にあり、古くから寺社仏閣が木造建築で建てられていることから、木造住宅が浸透しました。

 

木造住宅には、日本古来の工法である木造軸組工法(在来工法)と北米から入ってきたツーバイフォー工法という種類があります。木造軸組工法は柱を立てて、梁を水平に渡して骨組みをつくり、筋交いを斜めに入れて補強する工法で、軸で支えています。これに対して、ツーバイフォー工法は2インチ×4インチの角材と木製パネルを接合したパネルを組みたてて、壁や床、天井をつくり、面で支える工法です。

 

木造は戸建てのほかアパートなどにも用いられ、日本の主流な工法の一つです。


木造住宅に使用される木材には種類がある



木造住宅に使用される木材は、集成材と無垢材の2種類があります。

 

  • 集成材

製材した小さな板や小角材を繊維方向に揃えて、接着剤で貼り合わせて成型した木材のことです。規格化されていて強度が高く、寸法が安定していて、反りなどの変形が起こりにくいことから、施工がしやすいのが特徴です。接着剤で貼り合わせていることから、建築当初が最も強度が出ます。

 

  • 無垢材

伐採した丸太からそのまま切り出した木材のことです。香りがよい、調湿効果があるなどの木の良い面を住宅に取り入れることができます。反面生きた素材なのでどうしても個体差がありますが、乾燥機にかけ木の中に含まれる水分量を落とす、出荷前に強度の測定をする、等の対応をすることにより建築資材として問題ないものが流通しています。また無垢の木は100年、あるいはそれ以上の期間をかけてしまっていきますので、建築当初より強度が増していくことが知られています

 

一般的な木造住宅は、柱や梁などの構造材に集成材を使用し、内装材にはビニールクロスなどの工業製品が使われています。工業製品を使うことで建材の原材料が安価なことに加えて、施工性の良さから工事費用も抑えられることから、ローコストで建築できることが多く使われる理由です。

 

一方、無垢材を使った住宅とは、構造材や内装材に天然の木材を切り出した無垢材を使った住宅です。無垢材を使用し、さらに漆喰や珪藻土などの自然素材で仕上げで使用した家は、一般的に「木の家」と呼ばれています。木の家は、天然の木ならではの風合いの良さや調湿性などが魅力で、シックハウス症候群のリスクが少ないことからも注目されています。

 

イムラでは、構造材や内装材など木部のほとんどに無垢材の吉野杉を使用。美しい木目に囲まれ、快適な湿度に保たれる、魅力的な木の家を建築しています。


木の家が選ばれる理由



木の家が選ばれているのは主に次に挙げる理由によるものです。

 

  • 調湿性がある
  • 断熱性がある
  • 耐火性がある
  • 衝撃吸収・吸音性がある
  • 化学物質に強い
  • リラックス効果がある

 

木の家は調湿性が高く、湿度が高いときには水分を吸収し、湿度の低いときには水分が放出されるため、快適な湿度に保たれやすいです。無垢の木は空気を含み、結果として断熱性があることから、夏は涼しく、冬は暖かい環境が得られることも期待できます。木材は衝撃を吸収し、吸音性もあることから、歩行時の衝撃を和らげて、生活音も抑えられます。また、木造は軽量鉄骨と比較しても長く変形しない耐火性があります。天然の木のほか、漆喰や珪藻土といった自然素材を使えば、シックハウス症候群のリスクを抑える効果もあります。さらに、木の香りがする家はリラックス効果があることもメリットです。


調湿性がある


調湿性とは空気が乾燥しているときは水分を放出し、湿度が高いときには水分を吸収する性質のことです。木の家は調湿性に優れているため、ジメジメしがちな夏でも空気がカラっとしていて、乾燥しがちな冬も過乾燥が抑えられるなど、湿度が快適な状態に保たれます。また、湿度が抑えられることで、結露によるカビ、ダニの発生を防ぐ効果があります。

 

木造住宅は調湿性に優れているといわれることがありますが、一般的なビニールクロスが貼られた木造住宅に当てはまるものではなく、木の家で感じられるメリットです。


断熱性がある


断熱性とは熱を伝わりにくくする性質のこと。木材は鉄やコンクリートよりも熱伝導率が低いという性質があります。そのため、木の家は外気の温度が伝わりにくく、夏は涼しく、冬は暖かい環境が得られやすいです。そのため、無垢材の床は素足で歩いても快適なこともメリット。

 

木の家は弱めの冷暖房でも過ごしやすいことから、光熱費を抑えられることもあります。


耐火性がある


耐火性とは熱に強く、燃えにくい性質です。もしかすると、木の家は燃えやすいイメージがあるかもしれません。しかし、木は万が一火にさらされても表面に炭化層が形成され、内部への酸素の供給が絶たれるために中心部まではなかなか燃えないという性質を備えています。結果、550℃を超えると一気に強度が低下してしまう鉄骨より火災時の人命確保の時間を長く稼ぐことができます。


衝撃や音を吸収する


コンクリートなどの硬い素材は吸音性が高くなく、音を反響させてしまう点が難点です。したがって、生活音が気になりやすかったり、足への衝撃によるダメージといった問題が心配されます。

 

その点、木材は吸音性に優れているため、生活音の反響を防ぐ効果があります。また、樹種による違いもありますが、木材は衝撃を吸収する作用もあることから、特に柔らかい樹種の木材は歩行時に足が疲れにくいこともメリットです。木の家は衝撃や音を吸収する効果がある住宅でもあるのです。


化学物質に強い


一般的な住宅のビニールクロスなどの内装材や建具、家具には、接着剤や塗料などにホルムアルデヒドといった化学物質が使われています。こうした化学物質から有害なガスが発生すると、目まいや頭痛、皮膚や喉の痛みなどの症状が現れる、シックハウス症候群が引き起こされる恐れがあります。

 

一方、木の家では構造材にも内装材にも木部は無垢材が使用されます。無垢材からはシックハウス症候群の原因となる物質は出てきません。さらにビニールクロスではなく、漆喰や珪藻土など自然素材を仕上げ材として使えば、それらにはホルムアルデヒドを吸着・分解する作用があるので、シックハウス症候群に悩まされるリスクが軽減されます。


リラックス効果がある


天然の木材をふんだんに使用した木の家は、木の香りがすることから、森林浴をしているかのような心地よさがあるため、リラックス効果があることが魅力です。また、木の滑らかな肌触りを楽しむこともできます。


木の家に使われる木材の種類


木の家の構造材や内装材に使われる代表的な木材の特徴や産地、主な用途をまとめました。

 

 

 

木材の種類 特徴 主な産地 主な用途
ヒノキ
  • 木目が美しい
  • 耐久性に優れる
  • 湿気に強い
  • さわやかなか香り
  • 消臭・抗菌・抗アレルギー効果
  • 希少なため高価
  • 福島県以南の本州
  • 四国
  • 九州
  • 土台
スギ
  • 年輪が均一
  • 湿気やシロアリに強い
  • 抗菌性に優れている
  • 乾燥が速く、柔らかいため、加工性に優れている
  • ブランド木材は高価で、それ以外は安価
  • 本州
  • 四国
  • 九州
  • 土台
  • 造作材
ケヤキ
  • 木目がダイナミックで美しく、光沢がある
  • 重厚な質感がある
  • シロアリに強く、耐久性が高い
  • 硬く、加工には技術が必要
  • 高価
  • 本州
  • 四国
  • 九州
  • 大黒柱
  • 床の間まわり
ヒバ
  • 特有の香りがある
  • 水に強く耐久性が高い
  • 加工性に優れている
  • 比較的安価
  • カナダ
  • アラスカ
  • 土台
  • 通し柱
  • ウッドデッキ
ウォルナット
  • 木目が細かく、艶がある
  • 硬く、衝撃に強い
  • 加工性に優れてい
  • 高価
  • アメリカ
  • カナダ
  • フローリング材
  • 建具
  • 家具
ブナ
  • 木目がきめ細かい
  • 曲木に適している
  • 安価
  • 北海道西南部
  • 本州
  • 四国
  • 九州
  • アメリカ
  • ヨーロッパ
  • フローリング材
  • 階段
  • 家具
ナラ(オーク)
  • 木目がはっきりしていて、虎斑と呼ばれる模様
  • 強度が高く、耐久性がある
  • 北海道
  • 本州
  • 四国
  • 九州
  • ロシア
  • モンゴル
  • 中国
  • フローリング材
  • 家具
マツ(パイン)
  • 節目が多い。
  • 柔らかく、加工性に優れている
  • 安価
  • 北海道
  • 本州
  • 四国
  • 九州
  • 北米
  • 北欧
  • チリ
  • ニュージーランド
  • 東南アジア
  • フローリング材
  • 建具
  • 家具

 

木材は樹種によって、色や木目、価格が異なるだけではなく、硬さや耐久性などの性質にも違いがあります。そのため、樹種による用途の向き・不向きがあるのです。自然素材にこだわった木の家を建てるときには、樹種ごとの特徴を理解し、使用する箇所にあったものを選ぶことが大切です。


木の家づくりで気をつけておきたい注意点


木の家づくりで気をつけておきたい注意点として、次の点が挙げられます。

  • カビやシロアリの被害
  • ひび割れや隙間、反り返りができる・色合いが変化するなどの経年変化
  • 取り扱う工務店の数も多いため、工務店ごとに品質に差が生まれやすい

 

高温多湿な環境で育っていない外国産材(冷涼なヨーロッパで育ったホワイトウッドなど)は国産の杉やヒノキに比べるとカビに弱く、シロアリの被害も受けやすい点に注意が必要です。カビの発生を防ぐにはきちんとした防蟻処理を定期的に行うことが必要です。ただ、上で述べたようにそもそも樹種ごとにカビやシロアリに対する耐性が違いますので、木になる方はどのような木を使っているか、ハウスメーカーや工務店に聞いてみると良いでしょう。

 

また、無垢材は生きた素材ですので、内装材として使う際にはひび割れなどの微小な変形が起こることは知っておいてください。構造材として使う場合には、柱の中にどれくらい水分があるか、強度試験をしているかを確認し、家の骨組みにした際に問題がないと思われるものを採用してください。そうすれば歪みが出ないか、強度が不足していないか等不安に思うことなく、安心してお家づくりができます。無垢材を扱うには、質の良い木材を使うのもさることながら、それらを扱える腕のある大工さんを揃えることも必要です。木の家を検討する際は是非、総合的に見て「木の扱いに長けている」と思うことができる工務店やハウスメーカーを選んでいただければと思います。

 

そういった意味では、木の家は多くのハウスメーカー・工務店が建てていますが、上で述べたとおり、木材の質・施工品質・大工の腕には差があるため、実績などから信頼できるハウスメーカー・工務店を選ぶことが大切です。


自然素材で建てる注文住宅の魅力



注文住宅は間取りから外装材、内装材、建具や設備まで、ライフスタイルや好みに合わせて、オリジナルの家を作れることが魅力です。注文住宅は家を建てる前に実物を確認することはできませんが、パースや模型でイメージをつかむことができます。

 

また、工事中は、家が建つまでの過程を自分の目で確認することが可能です。自分の家ができ上がっていく様子を見られる楽しみがあるほか、工事状況をチェックできる点もメリットです。

 

ただし、注文住宅は細部にこだわるほど、打ち合わせの回数を重ねる必要があるなど労力を要し、住むまでの期間がかかります。

 

木の家は自然素材にこだわるほど、一般的な木造住宅よりもコストがかかります。しかし、手間やコストをかけて建てた分、木の質感を生かした健康的な家が出来上がり、家への愛着が強く沸くことが考えられます。

 

手間や時間、コストがかかっても、唯一無二の住み心地の良い住まいを手に入れたい方は、自然素材で建てる注文住宅を建てることを検討してみましょう。


吉野杉の家といえばイムラ



木の家は使用する木材によって、強度や風合いが大きく異なります。イムラが手掛ける木の家は「吉野杉の家」。使用する吉野杉は、奈良県の出荷基準を満たし、「奈良県認証材」の認定を受けた杉です。

 

イムラの「吉野杉の家」は、この吉野杉を柱や梁などの構造材はもちろん、天井や床、建具、収納といった内装材にまで使用し、木部のほとんどに吉野杉を用いています。中でも床材は他の産地には見られない100年近い樹齢の吉野杉を天然塗料で仕上げたものを使用しているため、素足で歩くと木のぬくもりを感じることができます。また吉野杉独特の育成方法により、節が極めて少ないのが特徴です。

 

動画サイト「吉野杉床板の製材」で、イムラの「吉野杉の家」に使用される木材の加工の様子を視聴できます。

 

イムラの「吉野杉の家」は素材の良さだけではなく、自由設計で自然の光や風を取り込む家を提案していることから、心地よい暮らしが実現できることもメリット。建築基準法で定められた耐震性能の1.5倍となる耐震等級3での性能を持ち、さらに繰り返しの地震にも耐えられるように制振装置を設置しているため、万が一地震が起きたときも安心です。壁の仕上げ材には珪藻土を使用していることから、調湿効果があります。また、セルローズファイバーという断熱材や樹脂サッシを採用するなど、断熱性能はZEH(ゼロ・エネルギーハウス)を上回る基準を南北海道レベルで、快適な温度に保たれる省エネ仕様の家でもあります。


まとめ



木の家は一般的な木造住宅とは異なり、木の質感や匂い、調湿性や断熱性などの性質を活かした快適な住まいを実現できることから選ばれています。木の家なら、ビニールクロスや集成材の化学物質によるシックハウス症候群の恐れも軽減できます。また、木造の比較的自由な設計幅を活かし、本格的な注文住宅をつくっている住宅会社も多いため、間取りや内外装材、設備などに自身のこだわりを反映し、「世界に一つだけの家」を作れることもメリットです。

 

イムラは奈良・大阪でお家づくりを行っている工務店です。建替えや新築、またリノベーションについてのご相談を承っております。一度、お近くの展示場にて吉野杉の香りとあたたかみをご体感ください。みなさまのご来場を心よりお待ちしております。

*吉野杉の家について詳しく知りたい方は《 こちら 》