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和室における床の間の活用方法|モダンでおしゃれな和室の事例も紹介

戸建ての客間(和室)に設置されることの多い『床の間』は、お客様を迎える客間に花や掛け軸を置くことで古くから権威を示すものとして利用されてきました。現代では、和風モダンなインテリアにするなどおしゃれな空間を作り出すためのスペースとしても利用されることがあります。

 

当記事では、床の間を利用しておしゃれな空間を作り出すための方法や、和室の施工事例などを参考に床の間がどうやって活用されているのかをご紹介していきます。


床の間とは



床の間とは和室の奥にある畳より一段高くて引っ込んだ形で作られているスペースのことを言います。一般的に、床の間には生け花や壺・掛け軸などを飾ることで部屋全体を装飾して、お客様を迎えるための雰囲気づくりに利用します。昔は一段高いスペースのことを『床』と呼んでおり、床のある部屋全体を指して『床の間』と呼んでいました。

 

また床の間には『本床・蹴込床』などの様々な種類があり、和室をつくる際に部屋のコンセプトやインテリアに合わせて自分好みの床の間を選ぶことでおしゃれな和室を作ることもできます。


■ 和室に床の間が置かれる意味


床の間は和室の隅にある何かを飾るためにつくられたスペースです。そのため、床の間には掛け軸や絵画を掛けたり、花や置物、骨董品や美術品などを飾ったりします。床の間に飾り物をすることで、客間として使用する和室の空間が華やかになりお客様をもてなすのに適した空間を演出することができます。

 

また、床の間はあまり家具の置けない和室に配置されることで、殺風景になりやすい和室に華を添えることができるというメリットがあります。もし、家に床の間があって、そのスペースをうまく活用できていないようであれば、飾り物を配置してお客様をお出迎えできる客間として活用してみてください。


■ 床の間の種類


昔から床の間は茶道や仏教、武家社会などさまざまな社会で愛用されてきたために、ぞれぞれの文化や特性に合わせて多様な形へ変化してきました。そのため、現代において床の間は『本床・蹴込床』などさまざまな種類の床の間が存在します。

 

以下では、現代にて認識されている8種類の床の間について説明します。

 

  • 本床(ほんどこ)

床の間のなかで最もポピュラーなタイプです。『書院造り』という建築様式でよくみられるもので、床柱は角を削り丸みを持たせ、畳から床の間への立ち上がりを床框(とこがまち)で覆って、上部には落し掛け(おとしがけ)を配置しています。

 

  • 蹴込床(けこみどこ)

蹴込床は本床と似たつくりをした床の間です。本床と蹴込床の違いは、本床が化粧板などを使った床框(とこがまち)を施すのに対し、蹴込床では蹴込板(けこみいた)と呼ばれる板をはめ込みます。

 

  • 踏込床(ふみこみどこ)

踏込床は本床などと違って畳の部分から一段上がる床框がなく、畳から床の間までフラットなつくりとなっています。そうすることでややカジュアルなつくりになるのでインテリアの一部としてデザインがしやすい特徴があります。

 

  • 袋床(ふくろどこ)

袋床とは床の間の前方の一部に袖壁(そでかべ)という壁を付けたものです。袖壁は床の間の右にも左にも付けることがあり、下地窓という小窓をつけたりもします。デザインの自由度が高いのが特徴で様々なバリエーションがあります。

 

  • 洞床(ほらどこ)

洞床は袖壁で前面を大きく覆って、上部に丸みを帯びた開口部を作る床の間です。袋床の派生形といえる形式で、床の間の奥が見えにくく作られており『洞穴』のようなつくり方をしているのが特徴です。

 

  • 釣床(つりどこ)

釣床は部屋に対してのへこみがない床の間です。床柱や床框、床板もなく、下は畳のままで床の間の位置に当たる部分に天井から釣束(つりづか)と呼ばれる出っ張りを下ろして、小壁と落し掛けを入れただけのつくりをしています。生花を飾ったりするよりも、掛け軸を飾ったりするためにつくられたような床の間です。

 

  • 織部床(おりべどこ)

織部床は釣床以上にシンプルなつくりをしています。織部床には床柱や床板などがない上に部屋の凹み部分も無く、単純に天井の廻縁(まわりぶち)に織部板を取り付けただけのつくりをしています。

 

  • 置き床(おきどこ)

置き床は床の間の床板にあたる部分が台座式になっていて取り外しができるようなタイプのことをいいます。このタイプは必要に応じて床の間として利用したり、通常のスペースとして利用したりすることができるので、マンションの和室など十分な広さが無い部屋に対して愛用されることが多いです。

 

床の間の種類は『部屋をどう見せたいか』『何を置きたいか』に合わせて選ぶようにしましょう。そうすることで床の間も部屋のインテリアのひとつとして、おしゃれな空間を生み出すポイントとして活用できます。


床の間の活用方法



床の間は客間に華を添えるためのスペースとして利用されます。ですが、どうやって活用するべきか知らないと和室全体の景観を損ねてしまう可能性があるので注意が必要です。そこで、以下では床の間の活用方法を具体的に解説しているので、内容を参考に床の間の活用方法を把握してください。

 

【床の間の活用方法】

  • 絵画や掛け軸を鑑賞する
  • 花瓶や生け花を飾る

 

床の間に絵画や掛け軸を配置して鑑賞スペースとして活用したり、花瓶や生け花を飾るスペースとして活用したりすることで床の間を有効活用できます。


■ 絵画や掛け軸を鑑賞する


床の間を絵画や掛け軸を鑑賞するスペースとして活用することで、殺風景になりがちな和室を自分好みの空間へ変化させることができます。そうすることで、和室は自分の趣味に合わせた空間になるので、絵画や掛け軸を共通の趣味として持つ友人を招き入れて交流する部屋としても有効に活用ができます。

 

また、共通の友人ではなくそれ以外のお客様に対しても、絵画や掛け軸を飾った趣のある和室へ招き入れれば、そのお客様にとっても落ち着く空間になることは間違いありません。


■ 花瓶や生け花を飾る


床の間は自分の好きな花瓶や生け花を置いて鑑賞目的として利用することもできます。

 

絵画や掛け軸のような変わらないモノを飾るのもよいですが、花のように変化するモノを飾ることで和室がさらに趣のあるスペースに変化します。

 

特に花は季節に応じて飾る花を変えることで和室に季節感を出すことも可能です。和室の中に四季を表現する場として床の間は非常に有価なスペースとして活用できるでしょう。


モダンでおしゃれな和室の事例


近年では『和モダン』といった、欧米のモダンスタイルと和の伝統スタイルを融合させたデザインが注目されてきていることもあり、和室を新築に取り入れる人が増えてきています。

 

  • 明るい雰囲気を残しつつも和の落ち着きがある和室
  • 和モダンで和の装飾に深みが出る和室
  • 畳からアレンジしていくことで和風過ぎないおしゃれな和室

 

親世帯と洋室派と和室派で意見が分かれてしまっているような家庭でも参考になる二世帯住宅の事例も取り上げています。


■事例① 明るい雰囲気を残しつつも和の落ち着きがある和室



この和室は二世帯住宅として設計されており、子世帯が過ごす洋風リビングと親世帯が過ごす和風空間の両立を実現させた空間となっています。

 

和室側は白色の壁を利用することで洋室との色合いを見事に調和させ、デザインがぶつかり合わないつくりをしています。洋室の希望者と和室の希望者で意見が合わない方にこそぜひ参考にしていただきたいお部屋です。

光をふんだんに取り入れる二世帯住宅の木の家


■事例② 和モダンで和の装飾に深みが出る和室



壁や扉を白色で統一した和室にすることで和モダンなデザインを実現。木材はなるべく薄い色味のものを使うことで白の壁とマッチしているので、違和感なく和風の置物を置くことができます。

 

また、白色と合うデザインにしているのでエアコンなどが設置してあっても、和モダンの雰囲気を崩すことなく住環境を維持できる特徴があります。

二世帯住宅へのリノベーション


■事例③ 畳からアレンジしていくことで和風すぎないおしゃれな和室



和モダンなデザインを意識した和室で、畳も洋風に寄せた色使いで2色の畳を使ってアレンジしています。そうすることで、和室だけども和風感が出すぎないデザインになります。

 

そのため、今まで洋室に住んでいたが心機一転、新築には和室を配置したいと考えている方には、昔ながらの和室感が出すぎないのでおすすめです。

洋風カントリースタイルを楽しむ木の家


まとめ


床の間は客間の雰囲気をよくするために、生け花や掛け軸を装飾するためのスペースとして利用されてきました。近年では趣味の絵画や生け花を自身が鑑賞するためのスペースとして利用されたり、おしゃれを演出するインテリアの一部として利用されたりもしています。

 

また、床の間が配置されているが、そのスペースを床の間として利用しなくなった家では、あえてリフォームすることで作業スペースにしたり、ペットの生活スペースとして利用したりもできます。

 

自由度の高いスペースとして重宝される床の間だからこそ、不要ならリフォームしても使えますし、そのまま残して当記事が紹介している事例のようにおしゃれな空間の一部として利用したりするのもおすすめです。

*和室の施工事例は《 こちら 》
*木の家イムラの本格和室について詳しく知りたい方は《 こちら 》