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ヒノキとは?住宅に建材として使用するメリット・デメリットを解説

ヒノキは、ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹で、建築木材としての品質の高さから人気があります。飛鳥時代に建立された法隆寺にも、ヒノキが建築木材として使用されています。また、ヒノキは建築木材としての品質の高さだけではなく、高級感のある木目の美しさも魅力です。

 

この記事では、ヒノキの歴史や、住宅にヒノキを用いる場合のメリット・デメリットについて解説します。また、ヒノキの使用に適した場所についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。


ヒノキとは?


ヒノキ(桧)とは、日本と台湾の一部に生息する、ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹のことです。ヒノキは木材の一種であり、耐久性や品質に優れているため、世界でも最高品質レベルの建築木材とも言われています。

 

ヒノキは日本人との関係が深い木材です。木目の美しさや、内部に含まれている油性成分、構造強度などの特性から、ヒノキは寺や神社などの建材としても古くから使われてきました。

 

また、桶・ひしゃく・まな板といった日用品や飲食店のカウンターなどにも使われており、生活のさまざまな場面で日本人の手に触れてきました。一方で、ヒノキは資源量が少なく、高級木材とされてきた歴史もあります。


1-1. 建材としてのヒノキの歴史


日本では、ヒノキは千年以上前から建築材として使われてきました。720年に書かれたとされる「日本書紀」には建築材としてヒノキを使用したことが記されており、当時からヒノキが優れた建築材とみなされていたことがわかります。

 

1300年前に建てられた法隆寺などにもヒノキが使われています。建設当時から残っているヒノキの一枚扉もあるほどです。建設から現在までの長きにわたり品質が保たれていることからも、ヒノキの品質の高さが窺えます。

 

伊勢神宮も建材にヒノキが使用されている神社の1つです。伊勢神宮では20年に1度、「遷宮」と呼ばれる建て替えを行っていますが、遷宮のための建材にはヒノキが使用されています。

 

以上のように、ヒノキは日本の代表的な上質木材として、はるか昔から現在まで高い評価を得てきました。


ヒノキを住宅に使用する5つのメリット



日本において、ヒノキが千年以上も前から現在に至るまで建築材として使用されているのは、ヒノキにさまざまなメリットがあるためです。

 

ここからは、ヒノキを住宅に使用する5つのメリットを紹介します。

 

(1)耐久性が高い

千年以上前にヒノキを使って建てられた法隆寺が品質を保ったまま現存していることからもわかる通り、ヒノキは耐久性と保存性に優れています。

 

(2)木目が美しい

ヒノキの建築材には、表面に美しい木目があります。木目の美しさは高級感を醸し出し、表面の光沢は長年使うことで味が出ます。建築材そのものの風合いの魅力を楽しめることが、ヒノキのメリットの1つです。

 

(3)香りが良くリラックス効果がある

ヒノキの建築材は、独特の良い香りを発します。ヒノキの香りにはリラックス効果があると言われており、嗅ぐと心が落ち着いたり、疲れが和らいだりしやすい点が魅力の1つです。ヒノキの香りによる効果は森林浴に近いため、ヒノキ風呂などをはじめ、アロマオイルや芳香剤など、さまざまなものにヒノキの香りが活用されています。

 

(4)シロアリ・ダニに強い

人間にとってリラックス効果のあるヒノキの香りには、強い防ダニの作用があります。ダニやダニの糞は人間の健康を害する恐れがあるため、ヒノキは自分や家族の健康を守るのにも向いている建築材と言えるでしょう。また、ヒノキの香りにはシロアリを寄せ付けにくい成分も含まれており、虫よけ効果の高い点が大きなメリットです。

 

(5)調湿効果が高い

ヒノキに限らず、無垢材には無数の目には見えない小さな空洞があり、伐採された後も空洞が湿気を吸ったり吐いたりして、呼吸を続けます。部屋の湿度が高いときにはヒノキが空気中の水分を吸収し、湿度が低いときには水分を空気中に放出することで、快適に過ごせる湿度に調節してくれる点が大きなメリットです。

 

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ヒノキを住宅に使用する3つのデメリット


建築材として多くのメリットを持つヒノキですが、ヒノキを住宅に使用するにはいくつかデメリットもあります。

 

(1)着色が難しい

ヒノキは木材の中でも油分が多く、塗料を吸収しにくい素材です。そのため、着色が難しいというデメリットがあります。ヒノキは、ヒノキ自体が持つ木目や色味を生かす使い方が適しているため、木の風合いや素材感を楽しみたい方に向いている木材と言えるでしょう。

 

(2)独特の香りがある

ヒノキには独特の香りがあります。多くの場合、人にリラックス効果を与えるヒノキの香りですが、人によっては苦手な香りだと感じる場合もあるため注意が必要です。まれに、ヒノキの香りで具合が悪くなってしまう人もいます。

 

住宅は、人生の中でも多くの時間を過ごす場所です。建築材にヒノキの使用を検討している方は、家づくりの前に住宅展示場などでヒノキの香りを体感し、自分や家族に合っているかをチェックしておくと良いでしょう。

 

(3)変形することがある

ヒノキをはじめとする無垢材は、湿気を吸ったり吐いたりする中で、膨張と収縮を繰り返します。その中で、膨張や反りなどの変形が発生する可能性がある点に注意しなければなりません。ヒノキは無垢材の中では変形に強いほうですが、「信頼できる工務店で家を建てる」などして、変形のリスクを少しでも下げることがおすすめです。


ヒノキの使用に適した場所3選



見た目や香りが優れ、耐久性が高いヒノキは、目に見える場所から見えない場所まで、住宅のさまざまな部分に使用されています。例えば、フローリングなどの床材や風呂、大引き、柱、天井、壁などです。

 

ここからは、ヒノキの使用に特に適している、フローリング・構造材・風呂の3か所について、適している理由や特徴・魅力を紹介します。


4-1. フローリング


ヒノキは木目が美しく、上品な明るい色をしているため、フローリングに最適です。フローリングをヒノキの無垢床にした場合、住まい全体の雰囲気が明るくなります。ヒノキは年月が経つごとに色が白色から飴色に変化するため、経年による味わいの変化も楽しめるでしょう。

 

比較的傷がつきにくい点も、ヒノキがフローリングに適している理由の1つとなっています。劣化しにくい素材でもあるため、長い目で見ればコストを抑えやすい点も魅力です。また、ヒノキはさらさらとしており、素足でも快適に過ごせるメリットがあります。


4-2. 構造材


ヒノキは強度や耐久性に優れた素材であるため、住宅構造材としても最適です。木目が美しく香りも良いため、柱材などの見える部分にヒノキを使うとよりリラックスできる環境になるでしょう。

 

ヒノキには防虫効果や防腐効果が備わっており、シロアリなどの害虫に強いため、住宅の土台にも利用されます。

 

ヒノキはほかの素材と比べてやや費用がかかるものの、耐久性の高さを考えると費用対効果は高いと言えます。家全体にヒノキを使用すると価格が高額になる場合もあるため、予算に応じて部分的にヒノキを使用するのもおすすめです。


4-3. 風呂


日本で古くから「ヒノキ風呂」が愛されていることからもわかる通り、ヒノキはお風呂への使用にも適しています。住宅だけではなく温泉旅館の浴室・湯船に、ヒノキを使用しているケースも多いです。

 

ヒノキの香りは人にとってリラックス効果があるほか、ヒノキに含まれる成分は人体にさまざまな良い影響をもたらすと言われています。また、ヒノキが耐水性の高い素材であることも、お風呂への使用に適している理由の1つです。


まとめ


建築木材として人気の高いヒノキは、住宅のさまざまな場所で使用されています。耐久性が高く、木目の美しいヒノキは、日本を代表する建築木材と言えるでしょう。

 

しかし、ヒノキに勝るとも劣らない、もう1つの日本を代表する建築木材として、スギの存在も忘れてはなりません。比較的、柔らかく加工しやすいため、スギはより幅広い用途で使われます。スギの中では、高級木材として知られる「吉野杉」が特におすすめです。吉野杉は、節がなく年輪が緻密で均一であるため、強度が非常に優れています。また、ヒノキに劣らない香り・色ツヤの良さも魅力です。

 

株式会社イムラでは、日本に数少ない一流の大工や職人の技術で、健康によく見た目も美しい「吉野杉」の家づくりを行っています。大人も子どももすこやかに生活できる住宅を建てたいと考えている方は、ぜひ工務店のイムラにご相談ください。

 

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