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グッドデザイン賞 3年連続受賞


イムラは2015年よりグッドデザイン賞を3年連続受賞しました。


※グッドデザイン賞とは…


様々に展開される有形・無形の事象の中から、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体をより豊かなものにすることに貢献した「よいデザイン」に対して、公益財団法人日本デザイン振興会がその質を評価する顕彰制度です。 イムラは、この価値ある賞を3年連続で受賞しました。


2017年度受賞 代官屋敷の古民家再生



概要


築200年以上の元代官屋敷を次の世代に住み継ぐための古民家再生事業。お白州の式台や砂利敷、力強い架構の柱・梁・差鴨居・土壁が残っている古民家ですが、何度も改修を経る間に差鴨居が一部欠損し大きく構造が歪み、断熱性がなく冬が寒いことや、段差が多いことなど安全で快適な暮らしを送ることができない建物となっていました。これらの解決策として、構造躯体のみを残して全て解体し、建て起こし等の抜本的な改修工事を行うと共にLDKなどの空間構成も見直しました。

 

その結果、外観の伝統的な趣はそのままに、200年経過した古材と樹齢200年の吉野杉などの新しい木材が調和する快適な居住空間が完成。これから先も長く安心して暮らせる安全性が確保されました。


審査員の評価


古民家再生のプロジェクトで、残すべき建築の持つ良き佇まいと更新すべき住宅性能(構造・設備)とのバランスの取り方が非常に優れている。木材へのこだわりも、このプロジェクトをより良いデザインへ引き上げた要因の一つであろう。定期的に性能を改良しながら、住み継いでいくことができるようにする試みは、今後ますます重要になってくる。その先行事例として、大変優れたデザインである。



2016年度受賞 木製内部建具[GENPEI]



概要


“GENPEI”は樹齢150年の吉野杉を使用した室内建具シリーズである。吉野杉の建具は重厚な色味が特徴である「赤柾」が使われていたが、高価なこと、和室にしかあわないことを理由に需要が減り、建具職人の技術の伝承も危うくなった。しかし無垢の木製建具の質感に好感を持つ消費者は多く、吉野杉を使って現代の住空間にあう洋風の建具として開発したのが本シリーズである。

 

天然乾燥により吉野杉特有の香りや色艶を活かす一方で、リーズナブルな赤白柾(源平柾)を採用し、更に材の流通改革や安定的な販売量を確保することで販売価格を抑えた。

 

“GENPEI”の躍進が職人技術を未来に繋げ、吉野杉の新たな需要を生み出している。


審査員の評価


嗜好品としてではなく、吉野杉の素材の魅力をきちんと伝えながら、量産品としての建具を開発し、現代住宅に再度広く使っていこうとすること、そしてそれが地元の林業や職人を支え、次世代に繋げていく環境づくりにもなるという、ものづくりの基本姿勢を評価したい。出来上がった製品も素直に吉野杉の魅力を伝えるデザインとなっている。



2015年度受賞 林業再生事業システム[500年の吉野林業を住まいづくりで守る!川上村との取り組み]



概要


人工林で約500年の歴史を持つ吉野林業発祥の地でありながら需要の減少が深刻化する奈良県川上村の林業を、豊かな住まいづくりにより再生に導く事業システム。

 

株式会社イムラは、川上産吉野材販売促進協同組合と共に高級嗜好品とされる吉野杉を手頃な価格で合理的に供給する流通システムを15年前に構築。同時に、建設する全住宅において吉野杉を構造から内装まで全面採用し、林業と森林の活性化につながる約4万本の需要(樹齢100年換算)をこれまでに生み出した。その実績から、2014年には川上村が生産から加工、流通、販売までの一貫体制による安定供給支援を表明し、官民一体で林業再生と森林環境保全を目指す事業システムが完成。


審査員の評価


高品質で知られる吉野林業発祥の地川上村も需要低迷の波は同様にやってきた。そこでタブーともいえるローコスト化に着手する。しかしかつては他所より2~3割高く売れたその品質を落とすわけにはいかない。そこで工務店と地域の林業組合と行政が力を合わせる事により、流通の徹底的な合理化を行いつつ、消費者ニーズに合わせた技術供給を含めた販売方法へと転換し、需要に繋がり森林の活性化をもたらした。

 

林業関係者だけではこのような革命的な取り組みは不可能であった。守る意識が強い日本の林業に攻めて変革するひとつの突破口を見せてくれた。