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無垢フローリングのお手入れは簡単|定期的なメンテナンスの方法も

無垢フローリングは、経年変化による独特な風合いを楽しめることが特徴の床材です。正しい方法によるお手入れを欠かさなければ、大きな補修や張り替えは必要ありません。無垢フローリングの仕上げに使用される塗料によって多少の差はあるものの、お手入れ方法自体は非常に簡単です。

 

この記事では、無垢フローリングの正しいお手入れ方法を、日々のお手入れと塗料の種類別に解説します。コーヒーなどをこぼしてしまった場合の対処法や、お手入れを行う際の注意点も紹介するため、無垢フローリングを大切に育てたい人はぜひ参考にしてください。また、複合フローリングとの違いも説明しますのでどちらにしようかと悩んでいる方にも必見です。


無垢フローリングのお手入れ方法



天然木材の無垢フローリングは、お手入れが難しいというイメージを持たれがちです。しかし、「日常的に行うお手入れ」と「定期的に行うお手入れ」でそれぞれ行うことは異なるものの、特別難しいことをする必要はありません。

 

日常的に行うお手入れの内容は、基本的にどの種類の無垢フローリング材でも同じです。しかし、定期的に行うお手入れの仕方は無垢フローリングの仕上げ方によって異なるため、確認してから行うようにしましょう。

 

ここでは、無垢フローリングのお手入れ方法を解説します。


日々のお手入れ


日々のお手入れ方法および注意点は、すべての無垢フローリングに共通しています。まず、掃除機やほうきでほこりやゴミを取り除きましょう。床板の隙間にゴミが入り込んでいても、掃除機を使用すればほぼ吸い取ることが可能です。粘着性のあるものはつまようじなどで掻き出しましょう。

 

拭き掃除を行う際は乾拭きが基本です。無垢フローリングは水に弱いため、濡らさずにお手入れするのがポイントです。塗装が造膜性塗料の場合は固く絞った雑巾による水拭き掃除が可能ですが、できるだけ避けたほうが無難でしょう。お掃除シートを使用する場合も、ドライタイプを使用します。


【浸透性塗料】年に一度の再塗装


浸透性塗料とは、木材の内部に含有成分が浸透して保護する塗料を指します。自然由来のオイルや、蜜蝋ワックスなどが代表的です。表面を塗料でコーティングしないためキズやシミはつきやすいものの、木材の質感や肌触りが損なわれません。自然塗装とも言われます。

 

浸透性塗料の油分は、時間の経過や生活上の擦れなどによって少しずつ失われるため、定期的な再塗装が必要です。ただ、頻度としては年に一度程度で問題ありません。生活動線上、頻繁に歩く部分や常々拭き掃除を行う部分など、塗装が剥がれやすい場所だけ再塗装します。

 

木材に浸透する塗料の成分には限界があるため、頻繁に再塗装したところで効果は高まりません。水廻りのように汚れやすい部分でも、半年に一度程度で十分です。心配な場合は、商品の販売元に問い合わせましょう。キズや汚れがついてしまった場合は、その部分だけ補修できます。

 

浸透性塗料で塗装された無垢フローリングの場合、住み始めの数年間にお手入れを欠かさなければ、頻度を下げても美しいツヤと高い保護力を保ちやすくなります。また、吉野杉などの無垢材は、木材自体に一定程度の経年変化によるワックス効果があるため、定期的な再塗装を必須とするわけではありません。ワックス材を再塗装せず、自然の変化を楽しみながら使い続ける方も多くいらっしゃいます。


無垢フローリングにコーヒーをこぼしてしまった場合のお手入れ方法



無垢フローリングの上に色がついたものをこぼしてしまった場合は、塗料に応じた処理が必要です。ここでは、うっかりコーヒーや醤油などをこぼしてしまった場合の対処法について解説します。

 

まず、こぼしてから時間が経過するごとにシミが残りやすくなるため、手早い処理が大切です。まずは、乾いた布や固く絞ったスポンジでコーヒーを取り除きましょう。擦ると床面にコーヒーが広がるため、押し当てる部分を変えつつ真上から軽く被せるようにして吸い取らせることがポイントです。

 

色が残ってしまった場合は、中性洗剤を水で薄めてこすり洗いを試みます。汚れが落ちるようであれば、何度か水拭きを繰り返して洗剤の成分を取り除き、乾拭きをして様子を見ましょう。洗剤で塗料が落ちてしまった場合は、再塗装が必要です。それでもシミが取れない場合はサンドペーパーでフローリング表面を薄く削ってから、同じ浸透性塗料を塗布しましょう。


無垢フローリングのお手入れを行う際の注意点3つ



無垢フローリングのお手入れは簡単に行えるものの、使用する道具については注意すべき点があります。不適切な道具は無垢フローリングを傷める原因となるため、避けたほうがよいでしょう。

 

(1)スチームクリーナーは避ける

スチームクリーナーは、無垢フローリングを傷める可能性が高い道具です。高温の蒸気を木材に浴びせると水分を吸って一気に膨張し、冷えて乾く際に一気に収縮します。急激な状態変化が起こるため、ひび割れや反り返り、ささくれなどを起こしかねません。特に、直接木材へ水分が届く浸透性塗料は要注意です。造膜性塗料であれば多少は耐水性がありますが、種類によっては変質します。無垢フローリングのお手入れにおいて、水気は避けたほうが無難です。ただし、へこみ傷がついてしまった場合にはスチームアイロンの蒸気を当てたり、傷がついた箇所に濡れ雑巾を置いてアイロンを当てたりすると傷が治る場合があります。

 

 

(2)中性洗剤以外は避ける

中性洗剤以外の洗剤や薬品は、無垢フローリングを傷める成分が含まれている製品が多いため、できるだけ使わないようにしましょう。特に、化学薬品が含まれた洗剤や強酸性洗剤の使用は厳禁です。木材が洗剤や薬品を吸収したり、化学反応を起こしたりすると、色ムラや黒ずみが発生します。汚れを取り除くために洗剤を使いたい場合は、中性洗剤を水で薄めるか、無垢フローリング専用の洗剤を選びます。

 

(3)化学雑巾は避ける

化学雑巾やモップの多くには無垢フローリングと相性の悪い薬品が含まれているため、使用してしまうと色ムラや黒ずみを起こしかねません。メーカーが無垢フローリング用とする化学雑巾でも、塗料との相性が悪かったり長期間同じ場所に置きっ放しにしたりすると、変色を起こすケースがあります。化学雑巾を使いたい場合は、使用上の注意書きや含有成分を入念に確認しましょう。


複合フローリングとの違い


無垢フローリングと複合フローリングでは、製造方法や加工方法が大きく異なります。また、無垢フローリングとは違ったお手入れ方法も必要になりますので違いを知っておくことが必要です。


複合フローリングとは


複合フローリングとは、一枚板の無垢フローリングとは違い集合材や合板の上に薄くスライスした天然木や木目のシートなどを貼り合わせて作られた床材です。無垢フローリングに比べ安価ということもあり広く使われています。

施工後も湿度や温度による変化が少なく、傷や汚れにも強い製品が多いです。


複合フローリングのお手入れ方法


無垢フローリングと比べると比較的掃除がしやすく、固く絞った雑巾での水拭きや中性洗剤の使用も可能です。ですが、複合フローリングは一度傷がつくと簡単に修復することができず、部分的な張り替えが必要になる場合があります。


まとめ


無垢フローリングは簡単にお手入れでき、基本的には掃除機をかけて乾拭きするだけで、高い品質を保つことが可能な素材です。お手入れの際、水分や化学薬品、強酸性の洗剤は木材を傷める原因となるため使用しないようにしましょう。

 

一見、無垢フローリングはへこみや傷がつきそうなイメージを持たれる方も多いですが、一枚板の為、表面を削るなどのメンテナンスが可能で、こまめなお手入れにより良質な状態が長く保つことができます。その一方、複合フローリングは安価な分耐久性には劣ってしまいます。張り替えることを想定した価格となっていますので選択される場合は、将来的なリフォームも視野に入れておいた方が良いでしょう。