平屋とは?
平屋とは、階層が1階のみの住宅のことを指します。複数階に分かれた家とは異なり、すべての生活空間が同じ階に配置されるため、階段の上り下りが不要で、バリアフリー設計がしやすい点が特徴です。また、広々とした空間を作りやすく、家族全員が同じフロアで過ごすことでコミュニケーションが取りやすくなります。
平屋を建てるときのデメリット
平屋には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。ここでは、平屋を建てる際に考慮すべきデメリットを詳しく見ていきましょう。
平屋のデメリット①:広い敷地が必要
平屋を建てるには、十分な広さの敷地が必要です。2階建ての家に比べて、同じ延床面積を確保するためには、土地の面積が2倍近く必要になることもあります。とくに都市部では、広い敷地を確保することが難しいため、土地探しに時間と費用がかかる可能性があります。
たとえば、一般的な家族構成の4人家族が約100㎡の延床面積を必要とすると、2階建てなら50㎡の土地でも十分ですが、平屋の場合はその倍、100㎡の土地が必要です。これが、土地の取得費用や維持管理費用にも影響を与えます。
平屋のデメリット②:日当たりや風通しが悪くなる空間ができる
平屋は、全ての部屋が1階に配置されるため、敷地の形状や周辺環境によっては、日当たりや風通しが悪くなる部屋が生じることがあります。とくに、隣接する建物が高い場合や、敷地が狭く密集した場所に建てる場合、十分な光と風を確保するのが難しくなります。
たとえば、南向きのリビングを計画していても、北側に配置された寝室や浴室などは自然光が入りにくく、昼間でも暗く感じることがあります。これに対して、適切な窓の配置や中庭の導入など、設計段階での工夫が求められます。
平屋のデメリット③:建築費用がかかる
平屋の建築費用は、一般的に2階建てや3階建ての家と比べて高くなる傾向があります。その理由の一つは、基礎工事や屋根の面積が広くなるため、使用する材料の量が増えることです。また、平屋のデザインや設計には、高度なスキルと専門知識が必要とされるため、設計費用も上昇することがあります。
たとえば、同じ延床面積の2階建てと平屋を比較すると、基礎と屋根の工事費用がそれぞれ約1.5倍から2倍になることがあります。さらに、平屋特有のデザイン性を追求することで、全体の建築費用がさらに高くなることも考慮に入れる必要があります。
平屋のデメリット④:浸水被害のリスクがある
平屋は、全ての部屋が地面に接しているため、浸水被害のリスクが高くなります。特に、低地や水害のリスクがある地域に建てる場合、この点は重要な検討事項です。洪水や豪雨による水害が発生すると、家全体が被害を受ける可能性があり、家具や家電製品も一度に被害を受けることになります。
たとえば、過去に洪水被害を受けたことがある地域や、ハザードマップで浸水のリスクが高いとされる場所では、平屋を建てる際に特別な防水対策が必要となるかもしれません。
平屋のデメリット⑤:防犯・プライバシー保護への配慮が必要
平屋は、全ての部屋が1階にあるため、プライバシー保護や防犯対策に特別な配慮が必要です。とくに、外から見えやすい窓の配置や、敷地の境界に適切なフェンスや植栽を設置することが求められます。また、窓やドアのセキュリティも強化する必要があります。
道路に面したリビングの大きな窓は、プライバシーが守られないだけでなく、不審者に狙われるリスクも高まります。そのため、目隠しの役割を果たすブラインドやカーテンの設置、敷地全体のセキュリティシステムの導入などが効果的です。
平屋が人気の理由
デメリットがある一方で、平屋が人気を集める理由もたくさんあります。ここでは、平屋が多くの人々に選ばれる理由を見ていきましょう。
平屋が人気の理由①:階段がないので安全
平屋の最大の魅力は、階段がないことです。階段の上り下りがないため、小さな子どもや高齢者がいる家庭でも安全に過ごすことができます。また、将来的に身体の機能が低下した場合でも、バリアフリーの環境が整っている平屋は安心です。
足腰の弱い祖父母と同居する場合や、ベビーカーを頻繁に使う乳幼児がいる家庭では、階段がないことで日常生活の負担が大幅に軽減されます。
平屋が人気の理由②:家事効率が良く負担が軽減できる
平屋は、すべての部屋が同じ階にあるため、家事動線が短く、効率的に家事を行うことができます。キッチンから洗濯機、リビングから寝室など、移動距離が短くなることで、家事の負担が軽減されます。また、階段の上り下りが不要なため、重い洗濯物や掃除機を持ち運ぶ手間も省けます。
洗濯を干すためにわざわざ2階のベランダまで持ち運ぶ必要がなく、庭やテラスに直接干せるため、時間と労力の節約になります。
平屋が人気の理由③:家族とのコミュニケーションが取りやすい
平屋は、すべての生活空間が1階に集まっているため、家族とのコミュニケーションが取りやすくなります。リビングやダイニングが中心に配置されることで、自然と家族が集まりやすくなり、日常的な会話や交流が増えます。
子どもが宿題をしている間に親が料理をしながら見守ることができるなど、平屋のオープンな空間設計が家族のつながりを深めます。
平屋が人気の理由④:耐震性が高い
平屋は構造的に安定しており、地震に対しても強い耐震性を持っています。1階建ての平屋は重心が低く、揺れに対する耐性が高いため、地震による被害が少ないとされています。とくに、日本のように地震が多い地域では、平屋の耐震性が大きな魅力となります。
東日本大震災の際にも、平屋の住宅は他の多階層の住宅に比べて被害が少なかったという報告があります。これにより、安心して暮らせる住宅として平屋を選ぶ家庭が増えています。
平屋が人気の理由⑤:メンテナンスが容易
平屋は、1階のみの構造であるため、建物全体のメンテナンスが容易です。外壁の修繕や屋根の点検も、2階建てや3階建ての家と比べて安全かつ簡単に行えます。また、室内の掃除もフロアが1つだけなので、効率的に行うことができます。
外壁の塗り替えや屋根の修理などの作業も、2階建てに比べて脚立やはしごを使わずに済むため、安全で費用も抑えられます。
平屋で後悔しないためのポイント
平屋を選ぶ際には、デメリットをしっかり理解し、それに対処するためのポイントを押さえることが重要です。ここでは、平屋で後悔しないためのポイントをいくつかご紹介します。
平屋で後悔しないためのポイント①:平屋が適している土地かどうか
平屋を建てる際には、土地の選び方が非常に重要です。広さだけでなく、形状や周辺環境、土地の価格なども考慮に入れる必要があります。平屋が適している土地を選ぶことで、デメリットを最小限に抑えることができます。
平屋を建てるには、広くて平坦な土地が理想的。また、日当たりや風通しを確保するために、周囲に高い建物がない場所や、東西南北のどの方角からでも光が差し込む土地を選ぶことが望ましいです。
平屋で後悔しないためのポイント②:構造や間取りを工夫する
日当たりや風通しが悪い空間ができてしまうという平屋のデメリットを補うためには、構造や間取りの工夫が必要です。日当たりや風通しを良くするために、窓の配置や部屋のレイアウトに工夫を凝らすことが重要です。また、防犯やプライバシー保護のために、庭やフェンスの配置にも気を配る必要があります。
リビングやダイニングを南向きに配置し、寝室やバスルームを北側に配置することで、日中の明るさと夜間のプライバシーを両立させることができますし、庭を設けることで、家の中心部にも自然光を取り入れることが可能となります。
平屋で後悔しないためのポイント③:家族と相談をする
平屋を建てる前に限らず、家づくりについて家族全員としっかりと相談をすることが何よりも大切です。家族全員が生活に満足ができるのか、将来的なライフスタイルの変化にも対応できるかを話し合う必要があります。また、実際に平屋に住んでいる家族や、専門家の意見を聞くことも有益です。
子どもが成長して独立するまでの間や、親が介護が必要になる時期までを見越して、部屋数や間取りを決めるといった長期的な視点でのプランニングが重要です。
まとめ
平屋には多くのメリットがありますが、その一方でいくつかのデメリットも存在します。広い敷地が必要だったり、建築費用が高くなるなど、慎重に考えるべき点が多いです。しかし、適切な土地を選び、間取りや構造に工夫を凝らすことで、デメリットを克服することが可能です。
平屋を建てる際には、家族全員の意見を取り入れながら、将来を見据えた計画を立てることが重要です。この記事が、平屋をの新築一戸建て住宅・注文住宅を検討している方の参考になれば幸いです。
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