【注文住宅】工務店とハウスメーカーの違い|メリット・デメリットも
注文住宅を建てる際は、工務店またはハウスメーカーに依頼する必要があります。両者は「家を建てる」という点において共通しているものの、それぞれ特徴があり、メリット・デメリットも異なります。
家族みんなが満足できる家を建てるためには、工務店とハウスメーカーの違いを理解した上で依頼することが大切です。以下では、両者の違いやメリット・デメリットについて詳しく解説します。
工務店とハウスメーカーの違いは?メリット・デメリットを比較!
1-1. 工務店
工務店とは、地域密着型の住宅建築会社です。
【工務店のメリット】
・自由度が高い設計を依頼できる |
・自分のこだわりを実現できる |
・地域の気候や風土に合った家づくりができる |
工務店の場合、主として木造軸組工法を家づくりに採用しており、建築上の制約が少ないという特徴があります。このため、間取りや設備を含め、自由度の高い設計を依頼できる点がメリットです。多くの部分を自分で決めることができるため、想いのこもったこだわりの家を建てることができます。
また、温度や湿度など地域特有の気候や風土に適した家づくりができるのも、地域を熟知した工務店ならではと言えるでしょう。
【工務店のデメリット】
・工期が長めである |
・品質が工務店によって千差万別である |
工務店の施工においては、職人が建材の加工や組み立てを現場で行うため、工期は長くなりがちです。しかし、高い技術や実績を持つ職人には、丁寧で確実な仕上がりを期待できます。
また、品質やアフターサービスは均一化しておらず、工務店によってばらつきがある傾向です。大工と専属契約を結んでいる工務店は確かな技術力を期待できるでしょう。工務店に依頼する際は、職人の技術力を確認することをおすすめします。
1-2. ハウスメーカー
ハウスメーカーとは、全国展開している大手の住宅建築会社です。
【ハウスメーカーのメリット】
・工期が短めである |
・品質やアフターサービスが均一化している |
ハウスメーカーは、建材の調達をはじめとする施工の工程をシステム化しているため、工期が比較的短くなっています。
加えて、耐震性や省エネ性といった住宅性能も一定の基準を満たしている点もメリットです。品質やアフターサービスが均一化し、長期保証も比較的充実しています。
【ハウスメーカーのデメリット】
・設計の自由度が低くなっている |
・こだわりを実現できにくい |
・仕様や設備の優先順位を明確にしておく必要がある |
ハウスメーカーには、建材や間取りなどが決まっている各種商品プランから選んでもらう、というシステムを採用しているところが多くあります。結果として、設計の自由度は低くなり、家に対するこだわりも実現しにくいでしょう。
ハウスメーカーが採用している工法によって自由度が低くなったり、仕様や設備のグレードによって工費がかさんだりする可能性も否めません。自分の予算を踏まえ、優先順位を明確にしておく必要がある点もハウスメーカーのデメリットです。
【注文住宅】工務店・ハウスメーカーを選ぶまでの流れ
注文住宅の施工契約を締結した後、家が完成するまでには長い期間を要します。このため、工務店・ハウスメーカーを選ぶ作業は効率的に進めて、時間を無駄に消費しないように心がけてください。
時間を効率的に使うためには、基本的な流れに沿って手順を踏むことが重要です。以下では、基本的な流れと、それぞれの段階で行う事項について具体的に解説します。
2-1. 資料請求を行う
工務店・ハウスメーカーを選ぶにあたって、最初にすることは資料請求です。インターネット上では、さまざまな会社のサイトを閲覧できます。しかし、サイトにはない情報が資料に詳しく掲載されているケースもあるため、資料請求は欠かせません。
インターネットで資料請求先を探す場合は、「家を建てるエリアの名前」「注文住宅」「工務店」などのキーワードを入力して検索します。
検索結果から工務店・ハウスメーカーを1社に絞る必要はありません。「イメージに近い家を施工しているか」「予算に合っているか」といった自分なりのチェック項目に合う10社程度を選び出します。
エリアや予算を度外視し、理想の家を施工している会社に資料請求するのも良いでしょう。比較検討する材料が多いと、自分の希望がより明確になります。
2-2. 住宅展示場・モデルハウスに訪問する
次に、資料請求をした工務店・ハウスメーカーの中から5社程度を選び、住宅展示場・モデルハウスを訪問します。資料の写真や説明から受ける印象は、実物と異なる場合も少なくありません。このため、実際に自分の目で施工事例を見ることが大切です。
訪問した際は外観をはじめ、建物内の間取り・壁・床・収納・換気・冷暖房の設備・風通し・動線など、気になる点を可能な限り確認します。
住宅展示場・モデルハウスのほかに、実際に人が住んでいるお家を訪問できる見学会などがあれば、ぜひ利用してください。住人から家そのものや、施工会社についての感想を聞くことができる絶好のチャンスです。
2-3. 問い合わせ・見積もりを行う
住宅展示場・モデルハウスを訪問した後は、候補を2~3社に絞り、問い合わせ・見積もりを行います。見積もりの時点で1社に絞ると、一般的な価格相場を知る機会を失うため、複数社に依頼することがおすすめです。
問い合わせをする前には、住宅展示場・モデルハウスの後で生じた疑問や気になる点をまとめて項目にしておきます。問い合わせで質問がスムーズにでき、時間を効率的に使えます。
各社に問い合わせをする際は、営業担当者の印象や対応の仕方にも留意してください。営業担当者とは長い付き合いになる可能性もあり、印象や相性の良し悪しは軽視できません。
候補に絞った会社に見積もりを依頼する際は、間取りやデザインなどすべて同じ条件を提示します。各社から提供された見積もりは、最終的な決定をするための参考となります。
2-4. 最終的な比較を行い工務店・ハウスメーカーを選ぶ
資料請求から問い合わせ・見積もりを行うまでの流れを経て、最終的な比較を行った上で、家づくりを任せる1社を選びます。
万が一、問い合わせ・見積もりを行った候補の中に希望通りの会社が見つからなかった場合は、最初から工務店・ハウスメーカー選びをやり直しすることになりかねません。大切な時間を無駄にしないためにも、どの段階においても慎重に候補を選ぶ必要があります。
契約前の最終的な段階であっても、気になる点や不安点がある場合は、遠慮せずに相談や問い合わせをすることが大切です。すべてをクリアにして、理想の家づくりに臨んでください。
【注文住宅】工務店・ハウスメーカーの選び方・ポイント7つ
工務店・ハウスメーカーを選ぶ際には、ポイントがいくつかあります。ポイントをしっかりと押さえると、家づくりにおいて自分の希望やこだわりを実現してくれる、最適な1社に巡り合える可能性が高くなるでしょう。
以下では、工務店・ハウスメーカーを選ぶ際に重要となる7つのポイントを取り上げ、それぞれの具体的な内容について説明します。
3-1. どのような工法・構造が得意か?
工務店・ハウスメーカーによって得意とする工法・構造は異なります。木造軸組工法(在来工法)・2×4工法(ツーバイフォー工法)・鉄骨軸組工法などは、家づくりに採用される一般的な工法・構造です。
それぞれの工法・構造にはメリット・デメリットがあります。例えば、工法・構造を「木造住宅」と「鉄骨住宅」に大別した場合、両者のメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット | |
木造住宅 | ・調湿性能や断熱性能が高い | ・白アリ対策が必要となる |
・吸音性や衝撃吸収性がある | ・耐用年数が鉄骨より短めである | |
鉄骨住宅 | ・間取りの選択肢が多い | ・断熱対策が必要である |
・害虫に強い | ・コストが高くなる |
「間取りの自由度」という視点からも、各工法・構造を比較できます。
2×4工法は耐震性や気密性などが高い点はメリットですが、間取りの自由度が低く、リフォームしにくいというデメリットを伴います。柱・梁・筋かい・合板で組み上げる木造軸組工法は、比較的間取りの自由度が高い点がメリットです。
軽量鉄骨の骨組みとブレースやボルトで組み立てる鉄骨軸組工法も、間取りの自由度は高めですが、コストは高くなる可能性があります。
各工法・構造のメリット・デメリットを知り、それぞれを得意とする工務店・ハウスメーカーを選んでください。
3-2. 職人に確かな技術があるか?
家を実際に建てるのは職人です。職人の技術は、家の完成度に大きな影響を及ぼす可能性があるため、できる限り情報収集をする必要があります。例えば、施工現場の見学は情報収集できる手段の1つです。
見学の際は「安全対策は徹底しているか」「現場は整理整頓されているか」「職人間の雰囲気は良いか」といった点をチェックしてください。安全対策には、ヘルメットの着用や転落防止ネットの設置などを含みます。
仕事をするための基本的なルールを守るとともに、人間関係を良好に保つことも職人としての資質です。建築のプロではなければ、技術の正確な見極めは容易ではないものの、現場を見学するだけでもある程度の情報収集はできます。
工務店・ハウスメーカーの中には、独自に職人の教育・育成システムを設けているところもあります。家づくりの現場で働きながら一定程度の年月をかけて先輩職人から学ぶことで、確かな伝統技術を身につけるなどしています。
各社における教育・育成システムの有無なども、職人に確かな技術があるかどうかを知る目安となるでしょう。
3-3. 外装・内装などのデザインは好みか?
外装・内装などのデザインは、純和風・洋風・北欧風・和モダン・シンプル・ナチュラルなどバラエティに富んでおり、好みがはっきりと分かれる要素です。
工務店・ハウスメーカーの各社に得意とする工法・構造があるように、外装・内装などのデザインにも得意とするスタイルがあります。したがって、純和風を得意とする工務店に、北欧風のデザインを依頼することはおすすめできません。
各社のサイトや資料では通常、過去の施工事例が数多く紹介されています。気に入った施工事例があれば、住宅展示場・モデルハウスを訪ねて見学したり、営業担当者に話を聞いてみたりしてください。
いくつもの施工事例を見比べ、自分の好みに合うデザインを得意とする工務店・ハウスメーカーを選ぶことが大切です。自分好みのデザインを採用した家には愛着が深まり、長年にわたって心地よく暮らせるでしょう。
3-4. 間取り・建材のこだわりを満たせるか?
間取り・建材のこだわりを工務店・ハウスメーカーが満たしてくれるかという点も、理想の家づくりに大きく関わってきます。
間取りの場合、キッチン・リビング・寝室・廊下などをいかに配置するかによって、家の個性を表現できます。間取りに関して強いこだわりを持っている場合は、一般的な型にはまった間取りでは満足できないかもしれません。
特に、均一化した商品プランを強調しない工務店の場合、こだわりの強い間取りに柔軟に対応してもらえる可能性は大いにあります。希望通りの間取りが実現できるかを、ぜひ尋ねてみてください。
また、家づくりをする際に自然素材の建材にこだわりを持っている人も少なくありません。家を建てる場合に、ヒノキ・杉・ヒバなどの木材、漆喰・珪藻土・土といった壁材など、さまざまな選択肢から特定の建材を選んで用いることも可能です。
イムラでは奈良県の名産でもある吉野杉という最高級ブランド木材を用いて家を建てることが可能です。吉野杉は、強度や保温性に優れ、香りや色ツヤが良いという特徴を持ち、柱や梁のほか、天井・床・収納にも利用できます。
健康的で自然の心地よさを体感できる家づくりにこだわる人には、湿度調整を行う建材としても知られる珪藻土と吉野杉を組み合わせることもおすすめです。
3-5. 保証・メンテナンス体制は充実しているか?
家が完成したら、工務店・ハウスメーカーとの付き合いが終わるわけではありません。施主に家を引き渡してから発生する修理に関しても、施工会社は一定の義務を負っているためです。
新築住宅に対しては「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で、柱・壁・屋根といった基本構造部分の補修責任などが10年間義務付けられています。いずれの工務店・ハウスメーカーも10年間は保証・メンテナンスの責任を負うことが基本です。
(出典:国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律の概要」/https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001586555.pdf)
法律が定める品質確保に加え、工務店・ハウスメーカーによっては、独自の保証・メンテナンス体制を整えているところもあります。例えば、家の完成後、数か月から数十年にわたる定期点検や、10年間という期間を超えた保証制度などです。
長く安心して家に住み続けるためにも、工務店・ハウスメーカーを選ぶ際には保証・メンテナンス体制の充実度をしっかりと確認してください。
3-6. 営業担当者に提案力があるか?
工務店・ハウスメーカーを選ぶ際は、営業担当者が提案力を持っているかも重要なポイントです。提案力がある営業担当者には、施主が抱く不安を解消したり、理想を実現したりするためのサポートを期待できます。
営業担当者とは契約前の打ち合わせから施工中、完成後まで何度も顔を合わせて話し合いをする機会があります。話が噛み合わないなど、どこか信頼できない相手とは、良い関係性を長く保てない可能性があるため要注意です。
優れた提案力や実績がある営業担当者には、ヒアリング力が備わっています。理想の家づくりをするためには、施主の要望をしっかりとヒアリングすることが欠かせないためです。
営業担当者はヒアリングした内容を設計士やインテリアコーディネーターなどから構成されるチームと一緒に検討し、実現に向けた提案をします。満足できる家を建てられるかどうかは、会社の窓口となる営業担当者の力量によるところが大きいと言えるでしょう。
3-7. 着工後の変更は可能か?
着工後、一度は納得したはずの設計や仕様などに、変更したいところが出てくる場合があります。施主が着工後の変更を希望する一般的な例としては、窓の大きさや取り付ける位置・コンセントの場所・収納棚の場所・壁紙の種類などです。
家づくりで後悔しないためには、着工後も変更や追加したいところが出てきたら、伝えることが大切です。しかし、変更内容や工事の進行具合によって変更できる場合と、変更できない場合があります。
工務店・ハウスメーカーによっては、変更をまったく受け付けていない会社もあるため要注意です。変更ができたとしても、費用が追加でかかったり、工期が計画よりも長くなったりするケースも想定できます。
着工後に変更できるか、変更した場合には費用が追加されるかどうかなど、あらゆる可能性を想定して事前に確認し、工務店・ハウスメーカーを選んでください。
まとめ
工務店とハウスメーカーの違いは、事業を展開する規模にあります。全国展開で均一的なサービスを提供するハウスメーカーとは異なり、工務店は地域密着型のサービスを提供している点が特徴です。家に対するこだわりが強く、自由度の高い設計を希望している方には、工務店をおすすめします。
「イムラ」は、木の家にこだわりを持って、高い技術力・提案力で注文住宅を建てる奈良県の工務店です。銘木・吉野杉をふんだんに使用した、木の温もりが感じられる家の建築を得意としております。関西で注文住宅を建てたいと考えている方は、ぜひイムラにご相談ください。