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住まいと健康|人に影響を与える化学物質

住まいと健康というテーマについて考えられたことはありますか?

 

なかなか耳にしないテーマだと思います。ですが、「居住環境」のというのは、そこに暮らす方と密接に関わりがあります。住居の温熱、空気、水環境のことを「居住環境」と呼び、それはそこに暮らす方へ影響をもたらします。

 

みなさまは1日のうち何時間くらい自宅で過ごしていますか?NHKの調査によれば、お勤めになっている方で、平均12時間以上、主婦や70歳以上の方になると平均19時間以上家にいることがわかっています。

 

NHKの調査をまとめた資料はこちら「在宅時間」

https://unit.aist.go.jp/riss/crm/exposurefactors/documents/factor/time_activities/indoor_time.pdf

 

「居住環境」が原因で多くの方に健康被害が出た事例をご存じでしょうか。それは1990年代に社会問題化したシックハウス症候群という病気です。今回はそのシックハウス症候群の問題を通じて「居住環境」と健康というテーマについて、考えてみましょう。


その症状、日常化していませんか?


シックハウス症候群とは、住宅などで使われる建材や家具などから発生する有害な化学物質やカビ、ダニによって汚染された空気を吸うことで発生する健康被害です。

 

なぜ、建材や家具からは、有害な化学物質が発生するのかをご存じでしょうか。それは、建具の取り付けや、家具を作る際に使用される接着剤の材料に問題があるからです。その接着剤から発せられた有害な化学物質は、下記のような症状が挙げられます。

 


快適さと引き換えに失われた換気


 

学生の頃に国語の授業で学んだフレーズ、吉田兼好の【徒然草:家のつくりやうは 夏をむねとすべし】

解釈はそれぞれですが、夏場の暑さはどうしようもないが、冬場は衣服の調整で快適に過ごせるという考え方も昔はありました。

 

近年の住宅はいかがでしょう。

「冬でもTシャツ1枚で快適に過ごせる!」というような、冬型の家づくりがなされています。

 

 

また、一昔前の家では、家族が集まるリビングは暖かくても、廊下などは外気の影響を受けて寒いというケースが多く、それは血圧の急上昇や急降下を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞など身体への悪影響を及ぼします。

 

 

このような健康障害を「ヒートショック」と呼びます。ヒートショックを防ぐためにも住宅は冬場でもお家全体の室温を一定に保つように考えられています。

 

室温を一定に保つ家は、ヒートショックを防ぐという点においては暮らしやすい住宅になっていますが、その高気密高断熱の家がもてはやされる一方で、室内の空気の入れ替わりは、昔に比べて起こりにくくなっています。

 

この住宅の変遷の間にシックハウス症候群の問題が社会問題化しました。それは住宅用の建材にも強力な接着剤が多用され、その接着剤からホルムアルデヒドという有害物質が室内へ放出されることで、多くの方への健康被害が報告されました。


建材におけるホルムアルデヒドの使用規格が義務化!


健康被害が多数報告されたことから深刻な社会問題となり、政府も対策を講じました。

 

2003年7月1日には建築基準法も改正され、接着剤などの原料に用いられる「ホルムアルデヒド」には厳しい使用基準が定められました。


■ 義務付けられた等級規格


ホルムアルデヒドの発散濃度を示したF★★★★(エフフォースター)と呼ばれる規格が設けられました。

この規格はJIS、JAS、国土交通大臣認定によって等級付けされています。

F★★★★の「F」はホルムアルデヒドのことを表し、F★、F★★、F★★★といったように★の数が増えるほどに建材に対する安全性の等級が上がります。

 

F★の建材は使用基準を満たさないため、建材として使うことはできません。F★★、F★★★の建材に関しては、既定の使用面積内であれば、使用することができます。

 

F★★★★の建材はホルムアルデヒドの発散量が非常に微量であるため使用制限がありません。そのため、どこの住宅会社も最高基準であるF★★★★の建材を使用しています。今では、F★★★★の認証を取得していない建材はないと言っていいぐらいです。


まとめ


新築のお部屋の中で感じるにおいは、揮発した化学物質かもしれません。ホルムアルデヒドは少しずつ室内に放散され、このホルムアルデヒドに汚染された室内に人がいると目や気道に刺激を感じ、高濃度の環境では呼吸困難に陥ることもあります。家族を守るはずの家が健康被害の原因になると複雑な気持ちになりませんか?

 

 

法律上の条件を満たしていても、住宅建材から発せられた化学物質のにおいで、目がチカチカするなどの不調を感じられる方は一定数おられます。ホルムアルデヒドのみならず、揮発性の化学物質はなるべく使用しないに越したことはないのです。

 

イムラでは吉野杉の床板と珪藻土の壁を使用した健康的な住宅をご提案しています。自然素材にどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

まず、無垢の床板を使えば、家の中が木の香りに包まれます。近年の研究によれば、木の香りには、人をリラックスさせる効果があり、結果的に免疫力が高まるとも報告されています。

 

珪藻土の塗り壁を使えば、多くの化学物質を吸着分解し、空気を浄化する効果が得られます。人間も生物の一種なので、シックハウス症候群の事例からも化学物質の極めて少ない家の方が健康的で充実した生活を送ることができるとわかります。

*関連記事:木の家の効果とは?《 こちら 》

 

ぜひ、吉野杉の香りと珪藻土の調湿効果をご体感ください。そして、フローリングやクロスなどとも比較してご自身にとって、どのような環境が過ごしやすいかを見極めることも大切です。

 

イムラは奈良・大阪でお家づくりを行っている工務店です。建替えや新築、またリノベーションについてのご相談もお申しつけください。ぜひ一度、お近くの展示場にて吉野杉の香りとぬくもりをご体感いただけます。また、完成見学会も開催しておりますのでお気軽にご参加ください。

みなさまのご来場を心よりお待ちしております。

*吉野杉の家について詳しく知りたい方は《 こちら 》