平屋の間取りの種類と特徴
平屋の間取りは主に次に挙げる種類に分けられます。
- 正方形
- I字型
- ロの字型
- L字型
- コの字型
住宅の形状によって、採光や通風の確保のしやすさや、部屋と部屋とのつながり方などが異なります。家族構成やライフスタイルに合った種類の間取りを選ぶことが大切です。
■ 正方形
正方形は廊下が少なく、回遊性のある間取りにしやすいのが特徴です。
・メリット
正方形はコンパクトな生活動線の間取りにしやすいことがメリットです。家族の気配を感じながら暮らしたい人に向いています。
・デメリット
正方形は採光が確保しにくく、広くなると中和室や引き戸で仕切った洋室など、窓のない部屋ができやすいことがデメリットです。特に広さのある家の場合は、家の中心部分に自然光を入れにくいことから、間取りの難しさがあります。採光を確保するには天窓を設置する、小屋裏を利用して勾配天井にして、高い位置に窓を設けるといった方法があります。
■ I字型
I字型は平屋でオーソドックスな長方形の間取りです。I字型は、南側など庭に面した面にのみ居室を並べる間取りと、北側にも部屋を設ける間取りがあります。
・メリット
I字型は風通しがよく、効率のよい生活動線の間取りにしやすいことや、大空間を作りやすいことがメリットです。I字型も家族の気配を感じながら暮らしたい場合などに向いています。
・デメリット
I字型は外部からの視線が気になりやすいため、プライバシーが守られた空間を確保しにくいことがデメリットです。また、採光が確保しにくいケースがあります。たとえば、東西に横長の配置にする場合は、南側にLDや寝室、子ども部屋などの居室を並べて、北側に浴室やキッチンなどの水廻り設備を設けると、どの部屋も日当たりがよくなります。
■ ロの字型
ロの字型の平屋は、真四角の形状で周囲を壁で囲み、中央に中庭を設ける間取りが一般的です。
・メリット
ロの字型の間取りは、中庭から光や風を取り入れられるため、部屋の奥まで光が届きやすく、風通しがよいことや、外部からの視線が気にならない空間を作れることがメリットです。明るさを重視し、プライバシーを大切にしたい人に向いています。また、中庭は子どもやペットが安全に過ごせる空間にもなるため、小さな子どもがいる家族やペットを飼っている人にも向いた間取りです。
・デメリット
ロの字型の間取りは、廊下のスペースが多くなりやすいことや、中庭を設けることで部屋が狭くなるケースがあることがデメリットに挙げられます。また、中庭を挟んで向かい側の部屋が丸見えになるケースもあります。ロの字型の間取りでは、生活動線や向かい合わせになる部屋の位置関係に配慮することが大切です。
また、ロの字型は中庭に後からモノを搬入しにくく、直接外から出入りができないことを不便に感じる可能性があります。このほかに、中庭の水はけにも注意が必要です。
さらに、風水・家相的に見た場合、あまり良い間取りとされないことが一般的です。こういったことを重要視される方は、間取りと風水・家相のどちらの方が優先順位が高いか、よくご家族や関係者とお話されることをおすすめいたします。
■ L字型
L字型はくぼんだ部分に中庭を設けられる間取りです。L字型の平屋は、LDなどのパブリック空間と、寝室や子ども部屋といったプライベート空間を、縦と横で分けることもできます。
・メリット
L字型は採光や通風を確保しやすく、中庭は外部からの視線をさえぎることができるのがメリットです。ウッドデッキを設置して、セカンドリビングとして活用しやすい間取りでもあります。L字型はほどよくプライバシーが守られるため、プライバシーを重視しつつ、開放感も欲しい人に向いています。
・デメリット
L字型は間取りの面での目立ったデメリットはありません。
■ コの字型
一般的にコの字型の平屋は中庭があるという点では、ロの字型と同じですが、3方のみが壁で囲まれているという点が異なります。
・メリット
コの字型の間取りも、ロの字型と同様に光や風を取り込みやすいことがメリットです。また、道路側は壁で囲まれた部分にするなど配置に配慮することで、中庭をプライバシーの守られた空間にできます。ロの字型と比較すると、中庭に外部から直接出入りできるため、メンテナンスがしやすいこともメリットに挙げられます。
コの字型はプライバシーを重視したい人に向いた間取りで、ガーデニングも楽しみやすいです。また、中庭は子どもやペットが走りまわる遊び場としても活用できます。
・デメリット
コの字型の間取りは中庭を設けることで、部屋が狭くなるケースがあることがデメリットです。部屋と中庭の広さのどちらを優先するか、熟慮することが大切です。
イムラの平屋住宅施工事例
イムラでは吉野杉や珪藻土を使った住宅を手掛けています。平屋住宅では、小屋根裏を活用した勾配天井を取り入れるなど、明るく開放的な住まいを実現しているのが特徴です。また、物入れやシューズインクローゼット、本棚などを設置し、収納力の確保にも配慮しています。
■ フローリングがおしゃれな1LDK+S
和室を設けた1LDK+Sの間取りの平屋。LDは小屋根裏を利用した勾配天井のため、天井高が高く、明るく開放感があります。また、濃淡のあるフローリングを用いることで空間にメリハリが生まれています。
平屋は採光の問題が生じることがありますが、和室には明かり取りのために低い位置に地窓が設けられています。壁一面に押し入れが設置されるなど、収納力にも配慮した間取りです。布団派の夫婦に向いた間取りです。
■ ワークスペースのある2LDKへリノベーション
築46年の住宅をリノベーションした事例です。キッチンと居間、和室の3つを一体化させて、広々としたLDKに生まれ変わりました。リビングの部分は引き戸で仕切って、独立した空間として使うこともできます。
リビングと隣接した場所に独立したワークススペースが設けられ、家族の気配を感じながら、仕事に打ち込んだり、趣味を楽しむこともできます。リモートワークをすることが多い夫婦におすすめの間取りです。
■ ウッドデッキを囲むコの字型の2LDK
ウッドデッキに面してLDKが設けられたコの字型の平屋。リビングの道路に面した側の壁は、高い位置に窓を設け、ウッドデッキに面した壁には大きな開口部を設けることで、プライバシーを守りながら明るく開放的な空間を実現しています。
天井高が高く、現しの梁が空間のアクセントになっています。
ウッドデッキは道路に面していますが、木製のルーバーを設置することでプライバシーを守っています。ウッドデッキをセカンドリビングとして活用するなど、開放感のある外部空間が欲しい人におすすめの間取りです。
■ リビングに書籍コーナーを設けた3LDK
LDKからウッドデッキを通じて庭につながる開放感のある平屋。一角には書籍コーナーが設けられていて、子どもから大人まで本を手にとってリビングで過ごせます。
玄関土間に設置されたシューズインクローゼットは、コートなどのアウターやベビーカー、アウトドアグッズなども収納可能。外で使うものを室内に持ち込まずにすみます。
リビングを生活の中心にしたい家族向きの間取りです。
■ 家族がリビングに集う5LDK
柱でダイニングスペースとリビングスペースが緩やかにゾーニングされたLDK。リビングはフラットにつながった畳スペースのため、小さい子どものためのキッズスペースとしても活用しやすいです。畳スペースには明かり取りの地窓も設けられています。
リビングの一角には書斎コーナーがあり、仕事や勉強に利用できます。こちらも、家族がリビングを中心にした生活を送りやすい間取りです。
まとめ
平屋と一言でいっても、間取りによって採光や通風、プライバシーの確保のしやすさには違いがあります。I字型やL字型、コの字型などの間取りの種類による特徴の違いを理解したうえで、敷地形状はもちろん、家族構成やライフスタイルに合った間取りにすることが大切です。
*平屋の施工事例は《 こちら 》
*木の家イムラの平屋について詳しく知りたい方は《 こちら 》
*間取りの見られる施工事例は《 こちら 》